国内相場安と豪州苦戦により減収も、加工事業の営業利益が約2倍と牽引し増益-日本ハム・末澤社長

日本ハムは9日、17年3月期決算を発表し大阪市内の本社で決算会見を行った。末澤壽一社長は17年3月期を振り返り、「加工事業の伸びもあったが、国内食肉が相場安となったこと、豪州事業が苦戦し、全体の売上高は前年比2.2%の減収となった。営業利益は9.3%増の538億200万円と過去最高であった」と説明した。セグメント別について、「加工事業本部は人件費の増加などがあったが、数量増による粗利益の増加、原燃料価格が安定したこともあり営業利益は103%増となった。食肉事業本部は食肉相場が軟調に推移するなか、生産事業における数量拡大、コスト削減、ブランド食肉を中心とする販売数量増もあって12.6%の増益となった。関連企業本部は水産の利益率を改善できたほか、乳製品、チーズ、ヨーグルトの売上拡大と原料価格が安定していたことにより67.0%の増益となった。海外事業本部は米州とアジアと欧州は増益となったが、豪州事業のマイナスが厳しかった」と振り返った。

事業ごとの18年3月期の方向性について、「加工事業本部はNBをしっかり販売していくほか、営業エリアの拡大、最適な生産体制の構築をしっかり取り組む。食肉事業本部ではインテグレーションをより完璧な形に持っていく。とくに国内事業をさらに強化していきたい。関連企業本部では内製化をもっと進めて、メーカーとしての立ち位置をしっかり作っていきたい。3社あるが、各社がそれぞれの事業領域において日本で3本の指に入る規模になれればと考えている。海外事業本部は見える化はだいぶ進んできた。この1年を次の攻めに転じる年にしたい」と述べた。また、「厳しい環境ではあるが、グループが1枚岩となって目標達成を目指したい。とくに前期は減収となっており、売上をもっと考えるよう話をしている。売上なくして、利益はついてこないのでしっかりと取り組みたい」と意気込みを語った。