牛肉価格値下がり、過去2年を下回る、豚・鶏、ソーセージ値上がり-4月小売価格

末端消費の低価格志向を反映して、食肉、食肉加工品の実質小売価格は依然として低価格傾向にある。総務省・統計局が公表した4月の家計調査から100g当たりの実質購入価格は、牛肉が前月から値下がりしたものの、豚肉と鶏肉は値上がりして前年同月との価格差もわずかに縮小した。

4月の牛肉の平均価格は前月比5.3円下げ100g当たり315.6円(前年同月比13.5円安)となった。過去2年実績を下回っているものの、グラム300円台を付けており、相場高止まりのなかで、末端サイドも売価を確保したものとみられる。全国1世帯当たりの同月の牛肉購入量も527gと前月から13g増加したものの、前年を2gほどわずかに下回り、3カ月連続で昨対割れと消費が伸び悩んでいる。

豚肉は前月比1円高の141.7円とほぼ前月並みとなり、前年との価格差も0.3円に縮小した。一昨年は米西海岸の港湾労使問題などに伴う相場高騰の影響がみられたが、昨年以降、概ね140円台半ばで推移している。鶏肉はブラジル産の玉不足を受けて相場が上昇した影響を受け、前月から1.4円値上がりして95.7円(前年比1.9円高)となっている。もっと数量ベースでは豚肉が1,707g(前年比1.0%増)と2カ月連続で1,700g台を付け、鶏肉も1,323g(同1.4%増)と1月以降1,300g台で推移しており、消費が牛肉から豚肉・鶏肉に移っていることが伺える。

食肉加工品では、ソーセージが2カ月連続で値上がりして144.2円(3.7円高)、ハムが2円値下がりの191.7円(16.6円安)、ベーコンが2.5円値下がりの166.1円(7.7円安)となり、前月に比べてベーコンは前年との価格差が拡大した半面、ソーセージ、ハムは縮小している。このうちハムは小売価格の値下がりを反映して購入量は180gと前月から3.4%増、前年比でも2.9%増加している。