<ちくさんマンポ> フローズンsG発動の影響を最小限に

輸入フローズンビーフのsG発動については、25日のTV報道を皮切りに、26日夜からは各一般紙・TVが一斉に報じている(牛肉の関税緊急措置の仕組みの資料は9~11面)。一般紙ということで制度自体を説明する内容であり、業界にとっては目新しいことはない。ただ、記者が驚いたのはある新聞が6月の残枠2万6,704tに対し、「110t超上回る見通し」と明記していたことだ。もちろん、財務省は統計を作っており、把握しているはずだが、どうやって一メディアがこの数字をつかむことができたかは全く分からない。

一方、業界としての課題は、フローズンでのsG発動の影響をいかに最小限に抑えるかだ。牛丼などに使われる米国産のバラ系が最も影響を受けるが、38.5%から50%に引き上げられた商品は、その分のコストを価格に確実に転嫁することが必要だ。為替変動、外貨の変動と同様に、関税の上昇分を、顧客とともに一般の消費者にも理解してもらわなければならない。牛丼は価格に敏感な商品と言われ、値上げは難しい。しかし、この先、世界の状況を考えれば、過去のようにバラ系の価格が1,000円を超すことはいつでもあり得る。今回は関税上の問題だが、こうした変動があった時は、しっかり消費者に理解してもらう“流れ”を作らなければならない。

もう一つは、チルドへの波及を避けること。豪州産への移行とともに、バラ系をチルドに移行させることが想定されるが、一気に輸入するのではなく、各月で必要量を計画的に通関することが必要だ。既報のように、コスト自体も急速凍結費用、フレートである程度上昇するため、これらを勘案し、フローズンとチルドをバランスよく手当てし、かつ計画的に通関すれば回避は十分可能といえる。