3連休に向け牛肉スライス需要に出始める、季節変わり目で焼き材もまずまず

8月の盆休み以降、天候不順も手伝って一服していた牛肉の末端需要だが、3連休も控えて先週あたりから徐々に動きが出始めており、徐々に底を脱した感がある。動きが好転したのは、畜種共通してスライス用のカタロースだが、モモ系の動きは低調。ただ、バラの動きも継続しており、スライス系・焼き材がともに動く、まさに季節の変わり目を象徴する動きとなっている。もっとも連休が明けると需要は一服するため、本格的にスライス系が動き出すのは催事や気温が低下してくる来月後半となりそうだ。

盆休み後は、例年節約ムードが強まるが、今年は関東で記録的な長雨も影響して、牛肉の末端消費は低迷、一部末端には在庫の持越しもあったようだ。ただ、9月に入ってからは、関東・関西ともに徐々にではあるものの、末端の動きが好転、先週後半から今週頭にかけて3連休に向けた手当て買いも強まりつつある。このため、これまで動きが鈍かったスライス系の動きも出てきている。もっとも、エリアでは関西の方が比較的回っているもようだが、関東は「量販店の棚替の分が動いているだけで、消費が好調だとか、在庫が少ないから引合いが来ているわけでなない。連休が過ぎればまた数週間は鈍るかも」(関東の卸筋)との見方が多いようだ。

畜種は関東・関西ともにホルスなど低価格帯から動いているようで、発生率が減っている和牛の2等級、3等級はひっ迫、スポットでの対応もし難い状況で、一部4等級や交雑種でも品質が確りした物に引合いが流れているようだ。

3連休後の需要については、まさに「天候次第」だが、気象庁の予報では、15日から21日にかけて台風や前線の影響で曇りの日が多く、とくに3連休は北陸・関東から九州一帯にかけて雨が降る所が多いという。末端の消費動向によっては、再び動きが低迷する可能性もある。現状でも「安くなければ動かない」(関西の卸筋)という状況で、依然、末端の低価格志向は強い。中間流通段階では厳しい価格対応を強いられており、今後の枝肉相場の動向を注視している。