8月の黒毛73.8万円と前月比1万円安に、前年比では8.8%安-機構・素牛価格

2017年8月の肉用素牛価格は、黒毛和種で前月比1.0万円安の73.8万円となった。過去最高値をつけた16年12月の85.2万円から11.4万円の下げとなった。前年同月比でも3カ月連続で下げ、下げ幅も拡大してきた。8月の枝肉相場が旧盆の需要期にも関わらず下げる中で、素牛への買い気が盛り上がらなかったと見られる。今後も国内の景気動向、末端の販売状況をみても枝肉相場は弱含みの展開が見込まれること、いよいよ高値の素牛を肥育した肉牛が出荷され肥育経営の採算悪化が懸念されることで、素牛価格の低下傾向が続くと見込まれる。

農畜産業振興機構がまとめた2017年8月の家畜市場の肉用子牛の取引価格(速報値)によると、黒毛和種は前年同月比で8.8%安の73.8万円、褐毛は10.0%安の67.8万円、交雑種は11.6%安の36.1万円、ホルスは7.8%高の23.0万円となった。黒毛和種は上述のように3カ月連続で、交雑種も3カ月連続で前年を下回った。また黒毛、褐毛とも1割前後の下げとなった。逆にホルスは前年を上回った。前月比では、黒毛で1万480円安、褐毛で3万2,576円安、交雑は1万5,119円安、ホルスはほぼ前月並となった。

主要市場をみると、鹿児島曽於中央市場が前月比で1万9,731円安の76.9万円、肝属中央は2万7,975円安の76.8万円、宮崎都城で7,505円安の75.8万円、宮崎小林で4万553円安の73.8万円、ホクレン南北海道で8,525円安の77.2万円、十勝で2万2,137円安の73.0万円となった。各市場で75万円に近付いており、一部では75万円を下回る市場も出てきた。

ホクレン十勝地区では、「全国的に素牛価格は下げており、北海道地区も同じ傾向になっている。8月から10月ごろまでは端境期であり、もともと素牛相場は弱いが、枝肉相場が下げ、肥育農家ではこれに敏感に反応したと見られる。素牛価格はここ数年右肩上がりで推移してきたが、今年に入って下げに転じた。一時は80万円を超す高値だったが、これがどの程度で落ち着くのか見極めているところだと思う」と話している。

また都城では、「枝肉相場の低下が響き、購買者数は変わらないものの、買い気が薄かった。今後も下げ傾向ではあるが、一貫経営や企業経営では素牛の頭数が増えているかもしれない。市場への出荷頭数は減少しており、需要と供給を考えれば、大きな下げは考えづらい」との見方をしている。

褐毛和種は、頭数が少なく変動が大きいが、前年比では2カ月連続で低下し、特に今回は前年比で1割下げる結果となった。前月比では7月は上昇したものの、8月は再び低下した。交雑種も前年比で1割を超す下げとなり、前月比でも1.5万円安と下げ傾向が鮮明になった。ホルスはほぼ前月並みで前年比では7.8%高と、枝肉でのホルス不足を反映し高値を維持している。