農水省は10日、香川県さぬき市のブロイラー農場(飼養羽数約10万羽)において高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が疑われる事例が同日付で確認された、と発表した。同日午後10時ごろに判明する遺伝子検査の結果、疑似患畜(A型陽性)と判定された場合、11日未明から防疫措置が開始される運びだ。HPAIは昨年3月24日に宮城、千葉で発生が確認されて以降、9カ月以上、発生が確認されていない。今回疑似患畜となれば、四国での発生は初めてとなる。

同農場は10日早朝、15鶏舎のうちの1鶏舎で、通常よりも多い55羽の死亡が確認されたため、同県東部家畜保健衛生所に通報。当初は他の家きん疾病の疑いも視野に入れながら、HPAIに関する簡易検査を行ったところ陽性反応が示された。同県はすぐに検体を遺伝子検査に回すとともに、疑似患畜と判定された場合に備え、同省など関係方面との調整に入った。同省も、齋藤健農水大臣を本部長とする鳥インフルエンザ防疫対策本部を設置した。

制限区域が設定された場合、発生農場から半径3km以下の移動制限区域内にある家きん飼養農場は8戸で飼養羽数が合計約17万羽(ブロイラー3戸・13万3,600羽、採卵4戸・3万6,500羽、種鶏1戸900羽)、半径3km超から10km以下の搬出制限区域は20戸(1戸は徳島県阿波市に所在)で飼養羽数が合計約101万羽(ブロイラー7戸・30万9,500万羽、採卵12戸・69万3,600羽、種鶏1戸・1万羽)となる。

疑似患畜が確認されると、移動制限区域が設定され、殺処分や埋却などの防疫措置の作業をスタートさせるほか、遺伝子検査が判明した翌日には移動制限区域内の農場について発生状況確認検査が行われる。また、同省も食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会の家きん疾病小員会を開き、防疫対策に必要な技術的助言を求めるほか、疫学調査チームを派遣する。

昨年よりも、野鳥などのHPAIウイルスの濃度が低いほか、昨シーズンの教訓を受け、家きん農場のバイオセキュリティが強化されていることなどから、今シーズン最初の疑い事例が越年で確認される、という格好となった。同省によると、初発が越年で確認されたのは過去に例がない、という。同省動物衛生課では「周辺国の発生状況などを考えると、リスクは決して低いわけではなく、今後、ウイルスの動きがどうなるか分からないので警戒を強めていきたい」と話している。

〈畜産日報 2018年1月11日付より〉