〈輸入品との競合、猛暑の消費減退で上げ要因少なく〉
6月の豚枝肉平均相場は、上旬は全国出荷が少なかった影響で東京市場の上物税抜きで640円を伺う水準を付けた。当時は輸入チルド(とくに米国産)の在庫も少なかったことから、末端も国産を使わざるを得ず、部分肉もそれなりに高値を付けたが、梅雨入りで末端消費も落ち込むなか、いよいよ量販店もチルドを中心に輸入品にシフトしたことで、国産の需要が鈍化、6月11日の週には500円前半まで急落するなど一変した。さらに中旬以降も520円前後でほぼ横ばいで推移し、結果、月間平均では上物税抜きで540円、中物で530円と、予想を大きく下回る結果となった。

7月については、関東甲信ですでに梅雨明けしたものの、猛暑と梅雨で全国的に末端消費は不振となっており、中旬以降は学校給食需要も止まるため、豚肉、とくに国産は苦戦を強いられそうだ。猛暑による生産面への影響も懸念されるが、現時点での需給状況を見る限り、枝肉相場は上物税抜きで550円前後展開となりそうだ。

[供給見通し]6月1日に発表した農水省の肉豚出荷予測によると、7月の出荷頭数は前年同月比2%増の126万頭としている。だが、過去5年平均比では3%減少で、前月の速報値(127.6万頭)よりも少ない見通し。このため、稼働日1日当たりの出荷頭数は6万頭で、前年同月に比べて1日当たり1,500頭少ない見通しだ。とくに7月1週目の水曜日は例年、南九州を中心にと畜が少なくなるうえに、今後、猛暑によって豚の増体が悪化し、出荷に影響が及んでくることも懸念される。このため、月前半の出荷は少なめに推移し、3連休前後に出荷のピークを迎えそうだ。

一方、農畜産業振興機構によると、6月のチルド豚肉の輸入量は、前年同月比3.9%減の3万2,200t、7月は同7.7%増の3万2,500tと3.2万~3.3万tの輸入が見込まれる。国産枝相場の乱高下を受けて、量販店ではコストが安定して粗利を確保しやすい輸入品中心の品揃えにシフトしており、7月は各社ある程度の物量を積んでくるとみられる。ただ、末端の売れ行き次第では、輸入品の荷動きが鈍化する懸念もある。

[需要見通し]豚肉の末端需要は、量販店中心に輸入品にシフトしており、市中現物の荷動きも堅調にある。また、国産も枝相場が下落しているものの、部分肉(生鮮物)は極端な好調もしくは不振部位もなく、弱いながらも万遍なく流れているようだ。

問題は実需だ。とくに関東甲信では観測史上初の6月で梅雨明けした。この点、関東の大手量販店のバイヤーに聞くと、「まだ猛暑に体が慣れていないため、消費そのものが減退し、素材としての精肉販売は厳しいそう」「梅雨明けが早まったからといって売り場を見直す必要はない。売れるのは冷しゃぶ用くらいで、あとは味付け焼肉セットを少し強化するくらい」といったコメントが聞かれた。また、「海の日」を過ぎると、夏休みで学校給食需要も止まるため、モモ、ウデは荷余り感が強まってきそうだ。なお凍結回しもこの豚価水準ではリスクが高い。

[価格見通し]6月の月間平均枝肉相場は、当初予想を50円も下回る展開となった。7月の相場については、出荷が少な目で「海の日」に向けた手当てが入る2週目にかけて相場のひと山を迎えるとみられるが、足元の需給動向からすれば、極端な上げは考え難く、上物税抜きで570円程度の上げが考えられる。ただ、後半からはスソ物部位のダブつき感が強まりジリ安の展開と予想され、輸入品も末端の売行きによっては値崩れもあり得る。7月はどちらかと言えば上げ要因よりも下げ要因の方が多く、月全体では上物税抜きで550円(税込590円)前後の展開と予想する。

〈畜産日報 2018年7月3日付より〉

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