〈モモはじり安の550円前後、ムネ横ばいの270円前後か〉
国産鶏肉は、供給が順調の半面、GW明けから消費が振るわず、モモを中心にジリ下げで推移してきた。この夏も梅雨明けが早まり、記録的な猛暑続きで需要が減退した。昨年好調だったムネやササミの動きも今年は盛り上がりに欠ける展開となっている。結果、7月の月間平均相場は、モモが前月から16円値下がりして570円(前年同月比4.9%安)、ムネが同7円値下がりの277円(同16.8%安)となり、正肉合計では847円(同9.2%安)と5カ月連続で前年相場を下回った。日経平均でもモモは548円(6.4%安)、ムネが264円(19.1%安)となっている。8月も現状の末端消費の状況などから見ると、相場の上げ要因を探すのは難しく、モモ中心に7月並みの低迷相場が続くものとみられる。

[供給見通し]
農畜産業振興機構の需給予想によると、8月の鶏肉生産量は12万4,000t(前年同月比0.4%減)とわずかに前年を下回り、前月からも2.2%減少すると見通している。輸入量はブラジルの減産などで3万5,700t(同31.4%減)と大幅に減少する見通しだ。このため、国産・輸入合わせた8月の期末在庫は13万5,200t(14.4%減)と前年を大きく下回る見込みとなっている。全国的に記録的な猛暑が続いているが、東北や九州などの主産地では、生体重こそ落ちているものの、死鳥など供給に影響を及ぼすほどではないようで、「鶏舎も暑熱に対応した設備投資を行っており、むしろ去年よりも生産は順調なのでは」(関東の荷受け筋)との声も。別の産地では飲用水に重曹を混ぜてヒートストレスの低減を図っている。

輸入品は、確定値ではないものの、ブラジルの7月の船積みが4万t前後にまで増加するとみられており、先の入荷量の目途が付いたこともあり、在庫を抑えようとする動きも一服している。とはいえ、手前(8月)の輸入量が少ないことから、輸入品の在庫はタイト気味にあることには変わりないと言える。国産も現状ではクリスマス向けのレッグを仕込んでいる状況だが、秋以降、気温低下で供給が増えてくる可能性もあるため極端な凍結回しの動きは少ない。日本種鶏孵卵協会の鶏ひなふ化羽数によると、6月のブロイラー用ひなの出荷・え付け羽数は5,642万7,000羽で前月比4.0%減少したが、前年同月比では1.1%増とわずかに上回っている。

[需要見通し]
GW明けから失速した鶏肉の需要は7月に入っても低迷したままの推移となった。猛暑続きに加えて、台風や豪雨など天候不順、夏休みで学校給食需要が終了したことなどがその要因といえる。8月も基本的にはこの状況は変わらないものとみられる。かつては焼肉など牛肉消費が増えるとされた盆休み期間中も、近年は生活スタイルの変化で食肉消費全体として大きな盛り上がりが見られず、むしろ暑さで揚げ物など家庭調理が敬遠され、外食や総菜、麺ものにシフトする傾向が強い。また昨年はムネ、ササミの売れ行きが好調だったが、今年はより手軽に調理できるサラダチキンなど加工品にシフトしている。

一方、盆休み明け以降は、消費者の節約志向から量販店の売り場も単価の安い鶏肉の販促を強める動きが予想される。ただ、国産豚肉も枝高・パーツ安にあるため、以前ほど鶏肉の価格面での優位性は薄れつつあり、末端サイドでの畜種間の価格競争は熾烈となってきそうだ。

[価格見通し]
夏場は鶏肉の不需要期にあるため8月も相場が上がる材料は乏しい。需要の回復が見込めず、8月の出荷は天候によってはかえって過剰感を強めることも考えられる。もちろん、前述の通り、凍結回しによる相場の下支えにも限界がある。こうした状況から見ると、モモ正肉は前月に続き弱気の相場展開となり8月の平均相場は550円前後。ムネ正肉は加工需要の動向によっては強気に転じる可能性もあり、月平均相場は270円前後と予想される。正肉合計では何とか800円台を維持できそうだ。

〈畜産日報 2018年8月3日付より〉