「JFフードサービスバイヤーズ商談会2018」に167社出展 USMEF、MLA、住商フーズなど

MLA豪州食肉家畜生産者事業団では「ラムバサダー」2人がオージー・ラムを使用したメニューを紹介
日本フードサービス協会(JF)は13日、東京都品川区のTOCビル・五反田で「JFフードサービスバイヤーズ商談会2018」を開いた。今年は過去最大となる167社が出展し、来場した外食・中食のバイヤーらに商品やサービスを提案した。本紙関係では、米国食肉輸出連合会(USMEF)、MLA豪州食肉家畜生産者事業団など海外ボード関係をはじめ、住商フーズ、メイセイトレーディング、いちまるなどの流通業者が参加し、外食向けに食肉や一次加工品、メニューの提案をしていた。

USMEFは、バックスロインを使用した「ジューシーとんテキ」やシマ腸の「あっさり塩もつ鍋」の試食を実施。アメリカン・ポークは外食でも流行している“低温調理”でのメニューを提案した。「かんたん低温調理」として特別な調理器具を必要とせず、火を通し過ぎないことで、アメリカン・ポーク本来のジューシーさが失われない調理法としておすすめしている。また、今年の秋からジューシーさ、おいしさ、やわらかさについて、科学的な数値・データを示した「三ツ星アメリカン・ポーク」を提案。会場でも黒を基調とした高級感あるポスターで品質の高さやおいしさを訴求した。

担当者によると「外食に向けても、キャラクターの『ごちポくん』を使った親しみある提案を行っていくとともに、今後は『三ツ星アメリカン・ポーク』でロジカルな訴求を行うことで、国産にも劣らない品質とおいしさをデータとして示していく」としている。アメリカン・ビーフでは、外食向けにアメリカン・ビーフならではの「ポンドステーキ」をアピールするとともに、今年は初めての試みとなるシマ腸の試食・提案を実施。冬の鍋需要に合わせて「あっさりもつ鍋」の試食を行い、来場者たちも興味を示していた。

MLA豪州食肉家畜生産者事業団では、オージー・ラムを紹介。会場では同団体が任命したオージー・ラムのPR大使として活動する「ラムバサダー」2人がオージー・ラムを使用したメニュー▽ローストラム▽ラムバーグとソース・オ・キュリー▽サグラムカレー(ほうれん草とラム肉のカレー)――3品の紹介・試食を行った。スパイスやオリーブオイルを使用した“簡単に調理できるメニュー”を提案することで、ラムをどのように調理・商品化するか悩む外食関係者たちに、おいしい食べ方を訴求した。ラムバサダーが振舞うメニューを見て足を止める人が多く、オージー・ラムへの関心の高さが伺えた。流通・商社関係では、住商フーズが米国産ブラックアンガスビーフ「アイオワプレミアムビーフ」とトルコ産チキンを紹介。トルコ産チキンについては、同社では今年からトルコのHASTAVUK(ハスタブック)社から独自で輸入し提案を始めている。ハスタブック社はトルコ国内の親鳥供給最大手パッカーで、鶏の孵化から加熱工程まで一貫生産を行う。水に触れないラインでの製造を最大の特長とし、ドリップの軽減によって、肉本来のうま味を逃がさず高品質な鶏肉の供給を実現している。担当者によると「輸入解禁後まだ間もないが、既に外食での採用が決まっている。通関が始まったばかりなので、これから大々的にスタートしていくと思われる。今後はトルコ産の品質の高さを訴求しながら、お客さまに理解していただいた上で提案していきたい」としている。

メイセイトレーディングは「メキシコ産熟成赤身牛」を紹介した。トウモロコシを主体とした穀物を平均230日間と長期給餌することで、風味の良い脂を含み、赤身主体でやわらかく、ヘルシーな肉質が特長。さらに20~30日間の熟成後に冷凍することで、上質で一段やわらかく、うま味の増した肉を提供することが出来るという。同社ではこれまでヨーロッパを中心とした豚肉の輸入をメインにしていたが、今年8月からメキシコ産牛肉の輸入を開始。「今後は人手不足で悩む外食産業に向けて、豚肉で培った当社が得意とする、現地加工での商品提供を目指していきたい。お客様の要望に応じたさまざまな規格など、きめこまかい対応をしていけるよう考えている」(担当者)という。

メイセイトレーディングは「メキシコ産熟成赤身牛」を紹介

メイセイトレーディングは「メキシコ産熟成赤身牛」を紹介

いちまるは、インバウンド向けに「肉×丼ぶりメニュー」としてチャーシュー、豚テキ、豚ぷら、ぼっかけ、たにん、牛すき――を紹介し、試食も実施。同社では真空調理により牛肉・豚肉・鶏肉など柔らかく仕上げた一次加工品を中心にBRAS de CHFF(シェフの片腕)ブランドの製造・販売を手掛けている。下ごしらえの手間がかからず、調理オペレーションの簡略化が可能となっており、担当者は「人件費も含めて考えればコスパも良く、ロス率も削減できる商品となっている。同じクオリティで商品を提供出来るというメリットもあるため、外食チェーン店などに提案していきたい」と人手不足、省力化に対応した商品として訴求した。

いちまるはインバウンド向けに「肉×丼ぶりメニュー」を紹介

いちまるはインバウンド向けに「肉×丼ぶりメニュー」を紹介

〈畜産日報 2018年11月14日付より〉