〈攻めの施策ではハンバーグ新工場が本格稼働、オリジナルの「浜中黒牛」初出荷〉
スターゼンは11月27日、日本橋兜町の日本証券アナリスト協会内で2019年3月期第2四半期決算説明会を開いた。今期からアナリスト向けの説明会を開いているもので、永野章代表取締役副社長、横田和彦常務取締役、定信隆壮執行役員財務本部長が出席した。永野副社長は最初に、「当社は今年70周年を迎え、前期の売上高は3,400億円に達した。食肉から派生した会社としては上場企業では珍しい会社。食肉取扱数量は45万tあまりで業界では10%のシェアとみられる」と紹介、その上で第2四半期決算、下期見通し、中期経営計画で取組中の施策を説明した。

今中間期について永野副社長は、「食品業界で共通だが人件費の上昇、原料高、物流費・燃料費の上昇の3つの要因がボディブローで効いている。売上高は5.1%増の1,740億円と伸びたが、経常利益は24.4%減の27億円となった。先日、松阪牛が2,400万円で落札されたことに象徴されるように国産牛の価格が上昇している。生産者は子牛が高い時期の牛でありコストが上昇し、生産者の価格帯と消費の価格帯のギャップが拡大している。国産牛は300億円を販売するが利益が厳しかった。

和牛が高い中で交雑牛が売れ筋だが、これも高く、利益が想定したものに届かなかった。輸入牛肉は、国際価格で取引され、これを原料としたさまざまな商品の利益が取りづらくなっている。またハムソーも消費が低迷し、原料高なのに価格が転嫁できない状況だった」と概略を説明した。

下期については、「下期の売上高は3.7%増の1,809億円、経常利益は9.1%増の39億円を見込む。下期の増収増益要因は、国産豚の仕入相場が落ち着き、販売環境が改善する見通し、また昨年は12月の国産牛の仕入相場高騰の影響を受けたが、今年度は影響が緩和される見込み、物流費も抑制に努め収益の改善に取り組む」とし、通期では売上高が4.4%増の3,550億円、経常利益は7.8%減の67億円を予想している。

中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)では、事業環境の変化に対応し、新たなステージへステップアップする3年間と位置付け、攻めと守り、これを支えるコーポレート機能強化に取り組む。その中で「食肉加工メーカーへの挑戦」など攻めの施策では、福島県本宮市で10月1日からハンバーグ新工場が本格稼働した。同工場は月間350tのキャパであり、これを含めた3つのハンバーグ・ハンバーガーパティ工場で年間3万tのハンバーグを生産することになり、生産・販売面でさらに攻めを重ねる。またオリジナルブランド牛として、北海道はまなか肉牛牧場で肥育した「浜中黒牛」が8月に初出荷された。乳牛に受精卵を移植して誕生させた交雑牛であり、見栄え、味、価格の面で優位性を持つ。生まれてから肥育中の飼料、個体管理まで同社がすべて行うことで差別化が可能となっている。さらに現在、量販店の店舗では人手不足、ドラッグなど生鮮品取扱業態の拡大、ロス率の改善ニーズの高まりに伴い、アウトパックを行うプロセスセンター機能の拡充を検討しているとした。

一方、守りの施策「業務プロセス改革によるグループ競争力強化」では、豚肉処理加工工場への除骨ロボットの新規導入(青森県三沢ポークセンターに豚うで部位除骨ロボット“ワンダスミニMK2"導入)、物流の効率化推進(物流費高騰に対応し、顧客の理解のもと物流の効率化を推進、AIなどの実験も計画)に取組む。

質疑では横田常務がハンバーグ、ローストビーフの上期の状況について、「ハンバーグは全体的に安定して伸び販売数量で10%増加した。消費者向けよりは総菜やお弁当用など業務用で伸びた。競合とのコンペがあるが長い生産実績に基づく技術があり評価を受けている。ローストビーフも業務用マーケットで伸び、計画以上の増加となった。今後は、輸入品が入る時に、どう国内製造の強みを出すかが課題」と述べた。

〈畜産日報 2018年11月28日付より〉