東京食肉市場は18日、2019年1月5日(土)のと畜分から、豚原皮価格を1頭当たり現行100円から30円に改定する、と発表した。大貫(枝肉重量100kg以上)牡は0円と変更なし。豚皮マーケット環境の悪化を受けて、ことし9月25日にも豚原皮価格を改定したところだが、国内2例目の豚コレラ発生以降、台湾(豚原皮の2割を輸入)が輸入停止を継続しているほか、世界的な豚原皮需要の減少で輸出価格は大幅に下落するなど、直近の状況はさらに悪化し回復の見込みが立たない厳しい状況となっている。すでに国内原皮業者のなかには引取り停止または原皮として処理するのではなく、レンダリングに仕向けることを検討している業者も出ており、副生物として豚原皮の円滑な処理を進めるため今回の価格改定を余儀なくされた。

〈世界的な牛と畜の増加で牛革供給が過剰、豚原皮マーケットを浸食〉
東京食肉市場によると、現在の豚原皮マーケットの状況について、▽世界規模での牛のと畜頭数増加によって牛革価格が下落しており、豚皮のマーケットが縮小▽合成皮革の品質が向上しており、革のマーケットが浸食▽豚皮は主にタイ、台湾向けに輸出されるが、台湾の輸入停止後はタイに集中したことで価格が下落▽中国の皮革業者の脱税問題で中国向け貨物がタイ国内で過剰在庫となっている――という。

こうした背景もあり、豚原皮価格は昨年4月ごろから徐々に値下がりし始め、ことし1月からは急落が継続しており、回復の兆しが見えていない。とくに世界的に牛のと畜頭数が多く牛革の供給が過剰となっており、実際に「Heavy native steer hide」価格は、ことし4月の65ドル(/枚)から11月末段階では46~47ドル(同)と27.6%も大幅に下落している。この牛革価格の下落が豚原皮マーケットを著しく浸食している。この状況を受けて豚原皮輸出価格(FOB)は昨年1月と比べて直近の11月は約3分の1レベルまで大きく下落している状況だ。

豚原皮輸出価格の急落で、原皮業界ではレンダリングや産業廃棄物へ仕向けることで輸出向け数量の縮減も検討されているという。だが、今後もマーケット環境がより悪化するなどして、最悪のシナリオとして、レンダリングや産廃へ仕向けられず、と畜に影響するケースも考えられるという。

厳しい状況を受け、原皮業界は日本畜産副産物協会に、東京食肉市場は日本食肉市場卸売協会を通じて、状況説明と農水省に対応を講じてもらえるよう要請をしているという。

〈畜産日報 2018年12月19日付より〉