〈19年1月の需給展望 牛肉〉年末年始は販売好調、ただ1月の販売は和牛から交雑にシフト

畜産日報 2019年1月10日付
和去A5は2,800円前後、A3は2,300円前後か年末年始は、首都圏をはじめ寒気に覆われたことで牛肉の販売は好調だった模様。年末は黒毛和牛の肩ローススライスの販売などが目立ったが、年始は交雑や輸入牛肉の切落しなどが中心となり、全体的に買上げ点数は伸びたものの、一品単価は低下しているといわれる。

12月の枝肉相場は、11月比で和去A5が28円高、同A4で50円高、同A3は65円高と、12月ながら極端な上昇はなかった。これは11月が想定を超す高値だったことと、中旬まで冷え込みが弱く、鍋需要が不調だったことが背景にある。末端需要が盛り上がりに欠ける中で、年末に向けたパーツの仕込みは11月末で終了し、前半は当用の銘柄牛などの仕込み、後半はそれも終了し年明け用に安価な牛が出れば拾うというように落ち着いた展開となった。ただ、安価な国産を求める量販店のニーズから和牛の2等級や交雑牛は高止まりし、交雑去勢2等級は前月比で21円高、さらに前年比では305円高となった。

1月は、年始は寒波もあって末端の販売は好調だったが、和牛から交雑牛や輸入牛肉に、肩ロースのうす切りから切落しへと、より安価な商品に需要が移っており、和牛の相場は量販店での需要が多かったA3を中心に下げ傾向が見込まれる。和去A5は輸出、ふるさと納税、一部の外食需要が堅調で下げても2,800円前後を維持するが、A3は2,300円が見込まれる。ただ、A3はこれでも前年比では200円以上高く、まだ割高感は残っている。交雑は、1,450円前後と見込まれる。

12月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、税込み)をみると、和去A5が前月比28円高の2,965円、A4は50円高の2,703円、A3は65円高の2,526円、交雑去勢B2は21円高の1,562円、乳去B2は61円安の1,048円となった。前年比では、和去が各等級で上回るが、和去A5の23円高に対し、A3は91円高、A2は160円高と、より安価な等級の上昇が目立つ。交雑は前年比で305円高と、一段上の等級の価格になった。

1月の生産見通しは農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数で3.3%減(1日当たりでは3.2%減)の7万7,400頭と見込まれる。

品種別の出荷頭数は、和牛は1.8%減の3万1,400頭、交雑種は1.0%増の1万9,100頭、乳用種は8.5%減の2万5,700頭が見込まれる。交雑の出荷は増加するものの、和牛、乳用種で減少し、全体でも前年を下回ると見込む。

輸入牛肉(チルド)は同機構の予測では、12月の輸入量は4.0%減の2万2,500t、1月は4.4%増の1万9,400tを見込む。1月はTPP11協定の発効に伴いカナダ産やNZ産の増加が見込まれ、前年を上回ると見込んでいる。

12月の量販店では、鍋需要を期待して店頭には肩ローススライス、切落しが並んだが、中旬まで冷え込みが弱く多くの量販店が前年割れで推移した。切落し用のパーツは価格が上がらない一方で、肩ロースへの転嫁が進み価格が上昇したことで、ウデ(カタ)のスライスを販売、価格も肩ロースに比べ安価なことで好調だった量販店も見られた。より安価な国内産の牛肉を求める動きから、交雑種の肩ローススライス、切り落としの販売も目立ち、これが交雑相場の上昇につながった。

年始の販売も首都圏では引続き冷え込みが強かったことで好調だった。しかし、年末と違い和牛ではなく、交雑牛と輸入牛肉のスライス・切り落としが中心。ある都内の量販店では年始の牛肉の売上は既存店で7%前後増加したと話す。これは交雑、輸入(プライム・アンガスなど)の切落しをチラシでPRしたもので、一品単価は低下したものの、買上げ点数を大きく伸ばした結果という。

1月相場は、8日の東京市場は、和去A5で2,898円、A4で2,600円、A3で2,427円と比較的堅調な相場を維持している。年越し在庫を少なめにした卸が買いに入っていることが要因とみられる。しかし、量販店での販売が和牛からより安価な交雑、輸入牛にシフトしていることを考えれば、輸出やふるさと納税が支えるA5は別として、和牛の各等級はここから徐々に下げると見込まれる。一方で、生産者は、素牛高の肥育牛を抱えており、相場に敏感になっていることで、相場が下がれば出荷を先延ばしする傾向があり、想定よりも出荷が少なくなり、結果的に相場が維持される可能性もある。

これらを勘案すれば和去A5で2,800円前後、同A3は2,300円、交雑B2は1,450円前後と見られる。また、乳去B2は1,050円前後とみられる。

〈畜産日報 2019年1月10日付より〉