〈国産生鮮は高値水準維持、輸入品は在庫水準高まる〉
7月の鶏肉需給は、国産生鮮品が末端需要の好調が継続したことで、堅調に推移した。モモは季節柄ジリ下げ展開も、例年比では高値推移となった。ムネは安定した加工需要も重なりジリ上げ展開となり、一部では品薄との声も聞かれる。

副産物では家庭内需要の強まりからか、手羽先、手羽元ともに堅調に推移した。8月も外出・外食自粛が続くとみられ、量販店向けに堅調な引合いが続くとみられる。一方で輸入品は対照的に外食需要が振るわず、4連休などの恩恵も少なかった。需要が弱まっているにも関わらず、輸入量は安定しているため、在庫水準が高まっている。新型コロナウイルス感染拡大を受け、輸入量を絞る動きが見られるが、効果が現れるのは9月以降とみられ、まだまだ厳しい状況が続くとみられる。

7月の月間平均相場は、日経加重平均でモモが597円(前年543円)、ムネが262円(221円)となり、ともに前年を上回った。正肉合計では95円上回っている。前月比では8円安となったが、前年比では5月が55円高、6月が80円高、7月が95円高と昨対比高の幅が拡大している。

〈供給見通し〉
日本食鳥協会がまとめているブロイラーの生産・処理動向調査によると、7月の生体処理羽数は前年同月比2.0%増と予測。処理重量は0.6%減と羽数は昨対増も、処理重量は微減する見通し。8月は羽数・重量とも昨対比で1.0%程度下回る予測だが、9月には再び4~5%程度の増加を予測しており、国産はしばらく安定した供給体制が維持されるとみられる。7~8月は羽数こそ前年並みか若干の増加を見込むが、重量は暑さなどから体重が乗らないようだ。それでも9月以降は重量も改善される見通しであり、影響は軽微か。

主要産地では、北海道・東北地区の7月の処理羽数は3.2%増、重量は前年並みの予測。8月は処理羽数が2.1%減、重量が0.9%減といずれも減少予測だが、9月には再び5%前後の増加を予測している、南九州地区(宮崎、鹿児島、沖縄)の7月の処理羽数は2.2%増だが、重量は0.6%減の予測。8月は処理羽数が0.3%減、重量も0.3%減の見通しだが、9月は処理羽数・重量ともに5%前後の増加予測となっている。

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によれば8月の国産生産量は13.2万tで前年同月比1.3%増を見込む。7月の予測は3.1%減となっているが、6~8月の3カ月平均では0.7%増と引き続き安定した、潤沢な供給体制が維持される見通し。一方で輸入品は在庫水準が高く、7月は9.0%減の48.4万tと1割近く下回り、さらに8月は11.3%減の44.8万tと予測。二桁の減少かつ45万tを下回る予測だ。7月と8月が大幅な減少予測のため、6~8月の3カ月平均でも4.3%減の見通しだ。

〈需要見通し〉
国産生鮮品は引続き末端需要に支えられると見られる。全国的に梅雨明けが遅れたが、暑さも本番を迎えたなか国産生鮮需給は強い。とくにムネはさらに強まる可能性が高い。モモの相場は緩んできているが、安定した需要が今後も続くとみられる。さらに手羽先や手羽元などの副産物も家庭内需要に支えられ堅調に推移するとみられる。一方で輸入品は在庫水準の高まり、外食需要の低迷が合わさり状況改善の兆しが見えない。

〈価格見通し〉
国産生鮮モモは7月の日経加重平均で600円を割り、ジリ下げとなった。8月もジリ下げもしくはもちあいとなり、高値水準を維持するとみられる。ムネは強い需要に支えられ、もちあいもしくはジリ上げ展開が予想される。そのため月間平均ではモモが590円前後、ムネ270円前後と予測する。農水省市況ではモモが610円前後、ムネが290円前後と見込まれる。

〈畜産日報2020年8月6日付〉