明治がギリシャヨーグルト市場に本格参入 「THE GREEK YOGURT」を発売

〈森永乳業・ダノンジャパンが先行する市場環境〉
明治は、ギリシャ(水切り)ヨーグルト市場に本格参入する。9日都内ホテルで開催の「明治 THE GREEK YOGURT(ザ グリーク ヨーグルト)」新商品発表会で、川村和夫社長が話したもの。

「明治ブルガリアヨーグルト同様に、商品だけでなくギリシャ国の文化・歴史も伝えながら、ヨーグルトのもう一つの“正統”として市場定着を目指す」と意気込みを示した。

日本でのギリシャヨーグルト市場は、既に森永乳業が「濃密ギリシャヨーグルトパルテノ」で、ダノンジャパンが「オイコス」とイオンのPB品で先行しており、明治のギリシャ大使館お墨付き「グリーク」の本格参入で、市場がさらに活性化するのか関心が集まる。

〈“ギリシャ大使館のお墨付き”で市場定着へ〉
「濃密なおいしさと健康価値に加え、現代人に不足しがちなたんぱく質を手軽に摂取できる提案で、市場のさらなる拡大にヨーグルトリーディングカンパニーとして努めていく」(川村氏)。

ギリシャヨーグルトは、水切り製法で水分やホエイを除去して作ることから、一般的なヨーグルトより水分が少なく、その分たんぱく質を多く含み、本場ギリシャでは肉や魚に負けない栄養源とされている。日本では森永乳業がいち早くギリシャヨーグルト市場を確立し、現在の国内ヨーグルト市場における構成比は約2.5%、アメリカでは約半数を占め、日本でも市場の伸びはまだあると見られている。

明治はこれまで、濃密ヨーグルトはデザート系、料理向け、ランチ向けなど様々な切り口で挑戦してきたが市場定着しきれなかった経緯があり、今回、ギリシャ大使館のお墨付き(公式ヨーグルト)と、海外のヨーグルトではメジャーな名称となっている「グリーク」の商品名を差別化ポイントに、市場定着を目指す。

商品のラインアップは「プレーン」「砂糖0」ソース入り「5つの果実」の3品で、脂肪0タイプ、カロリーは55~70kcal。各100g、税別140円、4月10日全国発売。ユーミンの歌が印象的なテレビCMも投下。

ギリシャ大使ルカス・カラツォリス氏(左)、明治・川村和夫社長(右)

ギリシャ大使ルカス・カラツォリス氏(左)、明治・川村和夫社長(右)

〈たんぱく質摂取の重要性を啓蒙、“ヨーグルトで栄養を摂る”習慣定着へ〉
なお発表会では、ギリシャ大使館公式ヨーグルトの認定証授与式も行われ、駐日ギリシャ共和国特命全権大使のルカス・カラツォリス氏と川村社長が、かたい握手を交わす場面も。ギリシャ国の文化、歴史も日本に広める役割を担うヨーグルトであることを強調した。
また会では、8月4日「栄養の日」、8月1~7日「栄養週間」に向けた同社の取り組みを、伊藤裕之取締役常務執行役員が発表。日本栄養士会の活動に賛同して、たんぱく質摂取の重要性を啓蒙(けいもう)していく考えを示し、ヨーグルトで栄養を摂るという新しい習慣を、日本に定着させていくことを強調した。

日本のギリシャヨーグルト市場は、情報感度が高い人を取り込み成長し、1人当たりのリピート頻度(奥行き)はあるが、ユーザー数(間口)は狭い傾向があり、今後の市場成長には間口拡大が不可欠。ヨーグルト最大手の本格参入で再び注目度が高まり、市場が活性化し、新規購入者が増えるか関心が集まる。

〈食品産業新聞 2018年4月16日付より〉

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