紫黒米の起源を特定、「ブランド米の味そのまま」の紫黒米育種など実現へ=生物研

農業生物資源研究所(生物研)は14日、紫黒米品種の米が黒くなる性質の原因遺伝子を特定したと発表した。富山県農林水産総合技術センターとの共同研究。
生物研は今回、約50品種のイネの遺伝子を調べ、紫黒米について、「稲が栽培化された後に、熱帯ジャポニカ種で、米粒のアントシアニンを作る遺伝子を働かせる『Kala(カーラ)4遺伝子』が突然変異したのが起源」と特定。
「その後、自然交配でインディカ米にも移り、アジア地域に広がった」とした。生物研は、「今後、遺伝子マーカーの技術を使って、『Kala4遺伝子』のうち米を黒くするために必要な塩基配列約5,000対を交配育種で白米の品種に取り込み、既存のブランド米の味をそのままに抗酸化物質などを含む紫黒米にするなど、これまでの育種でできなかった細かいデザインを実現できるようになる」としている。