全農は27日の臨時総代会で、2018(平成30)年度事業計画と「『農林水産業・地域の活力創造プラン』(農業競争力強化プログラム)に係る全農の対応」を決議した。2017(平成29)年度の米穀事業は、直接販売計画100万t、買取販売計画30万tをともに達成する見込み。

今年度の事業計画は2016(平成28)年度から始まった3か年計画の最終年度にあたるもので、経営管理委員会の長澤豊会長は、〈1〉大幅な機構改革・人事異動、〈2〉外部人材の登用、〈3〉大手取引先との業務提携、〈4〉輸出拡大に向けた海外拠点新設――の4点を重点項目として挙げた上で、「(3か年計画の)総仕上げに取り組むとともに、2年目に入る自己改革の加速化を進める。農業分野の総合ステーションになれるよう、精一杯努力する所存だ」と述べた。なお、〈2〉については今年3月1日付で、イオンリテール(株)生鮮食品部長、マックスバリュ東海(株)代表取締役社長、ダイエー(株)顧問などを歴任した寺嶋晋氏を、営業開発部戸井和久チーフオフィサー(元(株)イトーヨーカ堂代表取締役社長)付として登用している。

〈2017年度自己改革進捗・米穀〉
昨年の年次計画で定めた、米穀の直接販売目標100万t、買取販売目標30万tは「どちらもほぼ達成できる見込み」(神出元一理事長)。2017年度は主要実需者30社程度を対象に営業を展開したほか、出資・業務提携実績として、昨年3月のスシローGHDへの出資、昨年10月の木徳神糧(株)との業務提携を挙げた。

また、2017年度は3か所の広域集出荷施設を設置、2018年度3か所、2019年度1か所の新設を予定。2013~2019年累計で15か所の広域集出荷施設が以下の通り出揃うことになる。

▽2013~2016年=青森・全農物流(株)八戸共有倉庫、宮城・全農物流(株)東北支社宮城倉庫、秋田・全農物流(株)秋田支店低温倉庫、秋田・全農物流(株)秋田支店県南低温倉庫、福島・会津広域連合集荷施設、茨城・全農物流(株)千葉支店鹿島倉庫、石川・能登米穀連合倉庫、佐賀・全農物流(株)九州支店低温倉庫。

▽2017年新設=岩手・県北集出荷施設、新潟・新潟米広域集荷センター、山口・山口米広域集出荷施設。

▽2018年予定=千葉・千葉米広域集出荷施設、石川・県央地区広域集出荷施設、富山・高岡広域集荷施設。

▽2019年予定=山形・庄内南部ライスステーション。

〈2017年度自己改革進捗・輸出〉
2017年度米輸出の金額見通しは、JAグループ全体で8.2億円(当初計画比29%、前年実績比113%)、全農に限ると7.5億円(同28%、同135%)という状況。これについて岩城晴哉専務は「数字は前年比だと伸びている。計画が達成できなかった要因についてだが、海外の場合、(ターゲットの設定は)国だけではなく、ハイ・ミドル・ロー(という価格帯・客層)があり、ハイクラスは香港で売れたが、ミドルはアメリカ産米に業務用などの面で負けた」と海外戦略を振り返った。

米輸出の具体的な取組は、「香港・シンガポール・イギリス(業務用)での伸長や新規輸出先の開拓などにより販売が拡大」したほか、全国農協食品(株)がブルガリアで冷凍寿司販売の合弁会社を設立、今年1月から中国・アリババグループと連携してeコマース・通販での日本産米販売――などを挙げた。なお、全農は今年4月に全農インターナショナル台湾(株)(台北市)、全農インターナショナル香港(有)(香港市内)を設立する。いずれも駐在員1名・現地採用2名の予定。輸出用米生産に向けた取組としては、多収・低コスト栽培の実証試験を国内4県17農協で実施中。

〈2017年度自己改革進捗・その他〉
販売・生産体制の強化策として、昨年9月に新設した営業開発部による主要実需30社への精米販売拡大や、「実需者ニーズに基づくパックごはんの開発」などを挙げている。生産面では業務用米確保のため、30年産で多収品種など10種類を24産地で契約栽培、その他産地でも作付提案や取扱を拡大する。

〈米麦日報 2018年3月28日付より〉

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