〈神明・7月には中国向け輸出開始、ホクレン「準備が整い次第」〉
自民党の農林・食料戦略調査会(塩谷立会長=衆・静岡8区)、農林部会(野村哲郎部会長=参・鹿児島)は10日、合同会議を開催した。テーマは、対中コメ輸出の認定精米工場・燻蒸倉庫の追加などについて。

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出席者の1人である(株)神明の森竜哉上席執行役員は、今年7月上旬に中国向け輸出の第1便として、富山コシヒカリ25tを大連に輸出する意向を示した(7月下旬~8月初旬到着予定)。一方のホクレンは「準備が整い次第、早い段階で道産米の販売・提供が行えるよう尽力して参る」としている。柄澤彰政策統括官は、「今回の合意によって、燻蒸倉庫の年間最大処理能力は、2施設計7千tから7施設計2万tまで拡大する」とした。

会議の冒頭、野村部会長が「(今回の合意は)二階俊博幹事長と西川公也内閣官房参与の長い歴史の中での功績」と評すると、その西川参与がこれまでの交渉経緯を説明した。それによると、米輸出と放射性物質問題による農産物輸入規制について中国との交渉を開始したのは、2016(平成28)年10月のこと。東京での二階幹事長と中国商務部長による会談が発端となり、主に二階・西川両氏が現地当局者と複数回の会談を重ね、最終的に今年5月9日の日中韓首脳会談で今回の合意に達した。その間の2017(平成29)年8月には、中国国家質量監督検験検疫総局(質検総局)の検査官4名が密かに来日し、認定候補の精米工場と燻蒸倉庫を視察していたことも明らかにした。

また、合同会議の終盤には、新たに認定精米工場に選定された(株)神明とホクレンがひな壇に感謝の意を示す場面があった。(株)神明の森氏は、欠席した藤尾益雄社長の文を代読する形で「今回の認可で成都・上海に営業拠点を持つ子会社(成都栄町有限公司)を通じ、現地外食チェーンやネット販売はもとより、現地での“これまでにない販売方法”も検討していきたい。西日本を中心とした米穀卸の委託製造も積極的に受け、オールニッポンで日本産米の輸出に寄与したい」とした。

同社が10日に発表したリリースでは、「現地大手企業への販売を通し、福利厚生や通信キャリアのポイント特典の交換品などの用途を普及させる」とあり、これが“これまでにない販売方法”と見られる。

ホクレンの内田和幸会長は「国内の米需要が減少する中、中国という大きなマーケットに挑戦するチャンスを北海道に戴けたことを大変嬉しく思っている。このチャンスをしっかり受け止め、引き続き生産者所得の向上、生産基盤維持に向け努力して参る」と謝辞を述べた。

交渉の窓口となった農水省消費・安全局植物防疫課によると、現在は質検総局の解体に伴い、輸出入・税関業務を行う「海関総署」が新たな交渉相手となっており、これから海関総署が中国の各港湾に対し、日本の認定工場・倉庫の追加を通知し、それが浸透次第、新たな工場・倉庫を経由した日本からの米輸出が開始となる流れ。「明日から輸出可能となるかもしれないし、少し時間がかかる可能性もあるが、中国からの連絡が届き次第、認定工場・倉庫には通知する予定」とのこと。

〈米麦日報 2018年5月11日付より〉

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