〈「“ONIGIRI”を世界の共通語へ」キーワードに海外主要都市へも展開目指す〉
神明ホールディングス(藤尾益雄社長)は5月10日、東京・虎ノ門におにぎり専門店「TARO TOKYO ONIGIRI」1号店を出店した。9日に都内で開かれた会見では、藤尾社長とまん福ホールディングスの加藤智治社長が今後の展望などを語った。

海外展開を見据えた「TARO TOKYO ONIGIRI」は、「“ONIGIRI”を世界の共通語へ」がキーワードのおにぎり専門店だ。合弁会社「RICEREPUBLIC」(2022年3月設立、加藤智治社長、出資比率神明HD51%:まん福HD49%)が運営を担い、鮭や梅などの定番の具に「より美味しく合う具」を掛け合わせた創作おにぎりを十数種類提供する。
左からまん福HDの加藤社長、神明HDの藤尾社長

左からまん福HDの加藤社長、神明HDの藤尾社長

白米として使用するのは宮城登米産特栽ひとめぼれで、塩は宮城・石巻の「伊達の旨塩」、海苔は有明産を採用した。おにぎり100gに対し、具材比率は「通常のおにぎり比1.5~2倍」の15%。健康志向を狙って玄米・黒米おにぎりも用意したほか、ヴィーガンを意識して具材に肉類を使っていない。
 
メイン価格帯は1個250円程度で、「再開発が進み、東京を代表する虎ノ門では、2個500円、3個750円程度を基本とした価格でご理解いただけるのではないか」(まん福HD・加藤社長)。
 
神明とタッグを組むまん福HDは2021年4月に設立されたばかりの「食に特化した事業承継プラットフォーム」ベンチャー。後継者問題を抱える食品企業から株式を取得した後、事業を売却せずに同社幹部らが経営者として就き、そのままグループ会社にするのが特徴だ。既に神奈川・茅ヶ崎の老舗弁当屋「濱田屋」や熊本・阿蘇の食肉加工会社「さくらや食産」など5社を傘下に収めている。
 
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まん福HDの加藤社長はあきんどスシローの専務、取締役COOのほか、スポーツ用品チェーン・ゼビオの代取社長などを歴任しており、「今回は事業承継ではないが、ユネスコ無形文化遺産である和食を支える米、そしてその代表であるおにぎりを現代風にアップデートし、おにぎり文化そのものを承継するための取り組みだ」と語る。
 
「CVS(コンビニエンスストア)なども含めると、おにぎりの市場規模は5000億円以上とみている。火が通っている具材なので、寿司よりも海外でのサプライチェーンが構築しやすく、オペレーションも容易だ。多店舗展開しやすい」。
 
虎ノ門の1号店はテイクアウト専門店という位置づけだが、状況に応じてイートイン併設が可能な店舗設計で、2号店以降もイートインを併設する。国内出店は都市部の駅ナカ・駅近を中心に初年度直営3店舗程度を目標とし、それ以降はFC(フランチャイズ)をメインとする。
 
国内の出店目標は2027年3月期に直営30店舗・FC100店舗で、実現すれば国内最大のおにぎりチェーンとなる。「2号店以降は朝夕におにぎりを出し、夕方以降は暖簾(のれん)を変えて日本酒バーにする“二毛作”も考えている」(加藤社長)。海外展開は主要都市への出店を検討するとしている。

「TARO TOKYO ONIGIRI」ブランドロゴ

「TARO TOKYO ONIGIRI」ブランドロゴ

神明HDの藤尾社長は既業態「米処 穂(みのり)」との違いを問われ、「穂は地域や近隣の方々向けの業態で、神明のアンテナショップ的位置づけでもあった。一方、TARO TOKYOは日本の米を海外にどんどん輸出していける業態だ」と説明。
 
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また、まん福HDの加藤社長は本紙「米麦日報」に対し、「味での差別化が図りにくいコーヒーチェーン業界でスタバが支持されているのは、コーヒーだけに留まらない演出があるからだ。TARO TOKYOでは神明の米へのこだわりと具材のマリアージュ(組み合わせ)による至高のおにぎりだけではなく、TAKAHASHI HIROKOさん(武蔵野美大教授)にロゴから空間演出まで監修していただき、内装一つとっても他の専門店とは一線を画している。差別化において重要なブランディングも様々な切り口から進めていきたい」と語った。
 
〈「TARO TOKYO ONIGIRI 虎ノ門店」概要〉
◆住所
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-12-11 虎ノ門ファーストビル1階


〈米麦日報2022年5月10日付〉