本紙がこのほどKSP-SP社提供のPOSデータ(約1000店対象)を元に分析したところ、鮮度保持密封容器(以下、鮮度容器)入りの醤油について、17年のシェアは販売金額、販売個数ともに全体の3割を超えていることがわかった。容量でも15%程度まで達し、16年に比べて金額・個数とも4ポイント程度増加している。

POSデータに上がる醤油2000アイテム以上のうち、16年と17年の上位300品について調べたもの。高単価にも関わらず伸長していることなどから、消費者に鮮度容器入りの醤油の価値が認められていると考えられ、18年度もさらに伸長するとみられる。

〈ヤマサ醤油が「鮮度の一滴」で新価値提案 キッコーマン食品らも続々参入〉
鮮度容器入りの醤油はヤマサ醤油が2009年8月に発売した「鮮度の一滴」から始まった。

内袋に醤油が入った二重構造の容器で、開封後も一定期間、鮮度を保持する製品だ。これが、醤油に“鮮度”という新しい価値をもたらした。その後、キッコーマン食品が「いつでも新鮮」シリーズを発売、さらに4~5年前から容器メーカーの供給体制が整い、他の大手・中堅メーカーも参入してきた。

上位300品のPOS分析では、鮮度容器のアイテム数は16年の41アイテムに対し、17年は46アイテムで5アイテム増。鮮度容器の17年の販売金額シェアは対300アイテムで34.0%(前年比4.4ポイント増)、販売個数は33.8%で3.7ポイント増となった。

醤油の小売用市場規模は410億円程度とみられるが、メーカー筋の話を総合すると鮮度容器は140億円程度となる。単純に計算すれば34%程度となるが、実際には、居酒屋などの業務用テーブルユースにかなり使われていることから、(家庭用は)30%前後と推定される。またこのPOSデータは集計店がそれほど多くないことや、POS対象店以外での販売もあり、全アイテム比の30.7%よりも多少下がることが見込まれる。

鮮度容器の醤油はこれまで、販売金額や個数は伸びても「容量がもうひとつ」というメーカー側の声があった。そこで、上位300アイテムで容量シェアを算出したところ15.9%で、「思ったより容量も伸びている」という結果になった。前年比では2.5ポイント増だ。

〈単価は1L容器の3倍以上も、消費者に価値の認知広がり好調〉
また上位300アイテムについて1L単価を算出すると、1L容器の214円に対し、鮮度容器は669円で3倍以上。鮮度容器は小容量でかつ付加価値のある醤油がほとんどなのである程度単価が高くなるのは当然だが、3倍は大きい。これは、多くの消費者に鮮度容器入りの醤油の価値が認められていること、販売店が利益商材として力を入れて販売していることなどによるものだろう。

18年についてもまだ伸長が続きそうだ。3割近いシェアになった17年が前年比で4ポイント増と勢いは継続しており、前述の高単価の理由に加え、キッコーマン食品「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆMILD」、ヤマサ醤油「鮮度生活味なめらか絹しょうゆ」など、大手2社の今春の新製品に期待の商品が多いこと、他の大手・中堅、さらにPB(プライベートブランド)品などのアイテム増、料飲店の人手不足から業務用の需要が高まるとみられることが理由だ。今後、鮮度容器のシェアは市場の半分以上に達する可能性もある。

〈食品産業新聞 2018年3月15日付より〉

【関連記事】
キッコーマン「いつでも新鮮」シリーズに「密封eco(エコ)ボトル」2品投入
鍋つゆ市場、個包装タイプ一層傾注 ストレートは高質タイプに注目
豆乳生産量、7年連続で過去最高更新 17年は8%増の33.9万kl/豆乳協会