関東農政局は26日、管内の大豆生産担当者や研究者などを集め、18年度大豆セミナーをさいたま市で開催した。始めに、農研機構東北農業研究センターの菊池彰夫・大豆育種グループ長が、「里のほほえみの品種特性を踏まえた栽培技術と最新の研究」をテーマに講演を行い、「里のほほえみ」の生産動向、品種特性などについて報告した。

「里のほほえみ」は09年に品種登録され、徐々に作付面積を伸ばし、27年産では6,635ヘクタールと、6番目に作付面積が大きい品種銘柄となった。東北、北陸、関東の9県(栃木、山形、福井、石川、新潟、茨城、埼玉、群馬、福島)で生産されており、中でも栃木(2,570ha)、山形(1,817ha)、福井(1,387ha)で作付が拡大していると報告、「栃木ではタチナガハに代わる品種として採用され、これから面積が伸びていくのではないか。山形は里のほほえみ以外の品種も揃えているため、若干増えるかもしれないが、現行の作付の比率が守られていくのではないだろうか」との見解を示した。

さらに菊地グループ長は、里のほほえみの調査地点のデータ(17県22地点、26年産~29年産)を元に、品種特性についても紹介した。播種は東北と北陸では6月前半、関東は6月後半頃にはだいたい完了し、開花期はいずれの地域も7月下旬から8月上旬頃に迎える。成熟日数は、開花期と連動しておらず、地域によって早かったり遅かったりばらつきのある結果になったという。

また、このうち5地点で、標準播種よりも半月から1か月おいて晩播する試験を行っており、この場合、開花はお盆前には終了し、標播とのずれは1週間程度で収まったという。成熟までの日数も開花期と連動していることから、「里のほほえみは成熟までの日数が地域で固定されていることが見て取れる。晩播しても成熟期は早まらないことから、東北地域など霜がおりてくる地域ではあまり晩播は向かない」とした。

里のほほえみの長所は倒伏に強く、サヤの位置が比較的高くて割れにくいことから、コンバイン収穫などの機械化適性に優れている点を挙げた。最新データから検証しても、草丈が長くても倒伏しにくいという結果が読み取れたという。

収量については、地点によってばらつきがあり、子実重が10アール当たり400kg を越えている地点もあるが、これらの共通点の解析はまだ不足しているとした。また、青立ちが少ないというデータも出ているが、地点によって若干異なるとした。外観品質は、大粒割合が極めて高く、褐斑、紫斑、裂皮、しわなど障害粒の発生が少なく優れていると紹介。また、たん白含有量がエンレイ並みに高く、豆乳抽出率、豆腐の硬さ、食味に問題はなく、豆腐の加工に適しているとした。「粒大とタンパク含有量は相関が高く、粒大をしっかりとることがたん白含有量を上げることにつながる」との見解を示した。

〈大豆油糧日報 2018年6月29日付より〉

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