J-オイルミルズは28日、報道関係者を対象とした春季新商品説明会を同社「おいしさデザイン工房」で開き、商品化の背景を説明したほか、商品を使った調理メニューの試食を通じて、特長や機能性を訴求した。

はじめに、フードデザインセンター長の渡辺健市執行役員が、同社が取り組む業務用ソリューション事業の概要を説明し、はじめに「食品は調理されているから、おいしい。また、油も調理するからおいしくなる。いわゆる五味(甘い・辛い・塩辛い・酸っぱい・苦い)は体に必要だったり、危険を察知する必要があるので味を感じるわけだが、ここに油が入ると調理の過程で五味が変化する。これをコントロールし、味を創る技術を当社は持っている」と述べた。

さらに「油は香り創りも得意であり、炒め調理などネギやニンニクなどの香りは油に溶け、それがおいしさを出している。また、4割ほどが油でできているチョコレートは、口に入れるとすーと溶けてくるが、そこがおいしい。このほかショートニング性やクリーミング性といった食感も油は創ることができる。おいしさとは難しく、お客様からの要望も味、香り、食感について翻訳力が必要になる。それをスタッフで議論しながら形にするのが、おいしさデザイン工房の場ということになる」と説明した。
渡辺健市執行役員

渡辺健市執行役員

〈汎用油のライト化、油の使い分けが進む市場変化に対応/古川執行役員〉
続いて、古川光有・執行役員油脂事業部長が新商品の狙いを説明した。はじめに家庭用油市場について、販売数量は微減傾向にあり、とりわけ汎用油は消費者のおよそ半数は年間約2,200gにとどまるライト化が進んでいると指摘した。一方で金額市場は成長し、家庭内在庫本数は17年度に3.3本となり、加熱調理では天ぷらやフライ調理の頻度が低下する中で、から揚げや肉炒めは増加するなど用途に応じた使い分けが進んでいるとの見方を示した。

古川光有・執行役員油脂事業部長

古川光有・執行役員油脂事業部長

それを踏まえた上で、同社はから揚げ調理にフォーカスして調査した結果、多くの家庭ではフライパンによる少油量で調理していること、から揚げ専門店の味は、揚げ種のうま味と香りが、油が溶け込み、それが衣に戻ることがおいしさにつながっていることを踏まえ、「から揚げの日の油」を開発したと説明した。同商品は鶏肉のコクとうま味を引き出し、ショウガの香りがする風味油にブレンドにすることで、容量は400gと少ない油量で調理でき、冷めてもおいしいから揚げに仕上がることを強調した。
 
古川執行役員は「から揚げ専用油としているが、実質は風味油なので野菜の素揚げなどもおいしく調理できる」とアピールした。また、3月から女優の西田尚美さんを起用したテレビCMを投入することも明らかにした。
 
次いで業務用油の新商品「J-OILPRO」シリーズの「プレミアバターフレーバーオイル」については、「『J-OILPRO』シリーズで一番の売れ筋は、バターフレーバーオイルだが、そこにプレミアムタイプとして新商品を追加する。国内のバター生産は減少し、価格は上昇を続けており、外食産業にとって大きな課題となっている。その中でバターフレーバーオイルは、バターの香り・コクだけではなく、作業性や収容性、コゲつきにくいといった機能面も評価されている。こうした機能面はそのままに、よりバターらしい商品への要望に応えたもので、バターらしさとは何か、再度検討した商品だ。特に加熱調理による変性を研究し、新しくミルキーアップ製法という新技術を導することで、バターならではのミルキー感の強化に成功した。バターを使った定番メニューに加え、液状油なのでドレッシングなどにも活用できるのではないか」と紹介した。
 
〈大豆油糧日報 2019年1月30日付〉