ハナマルキ18年売上は5.8%増、4期連続で過去最高を更新 加工食品が好調

ハナマルキ 花岡俊夫社長
〈塩こうじ領域で売上10億円を達成、19年売上は3.0%増を計画〉
ハナマルキは4日、東京本社で業績記者会見を開き、18年売上は前年比5.8%増の202億円で増収となり、みそが同2.0%増の100億円、加工食品が同9.7%増の102億円となったことを報告した。その内、塩こうじは同16.7%増の10.5億円と大幅増収となった。

19年の売上計画は同3.0%増の206億円を掲げ、内訳として、みそは同1.0%増の101億円、加工食品は同5.0%増の105億円、塩こうじは同15.0%増の11.5億円とした。

会見では、平田伸行取締役マーケティング部長から業績の概要が説明され、「18年度はグッドカンパニー賞・信州ブランドアワードの受賞や、記念事業としてみそ作り体験館をオープンするなど、100周年を迎えた節目の年だったが、15年度から4期連続で売上高過去最高を更新したほか、みそ、加工食品のいずれの領域でも売上高100億円を達成することができた」と評価した。

みそ領域では、無添加、風味一番、おかあさんなど主力商品が好調で、特に「おかあさんあわせ」が順調に売上を伸ばしたという。

加工食品領域では、即席みそ汁が好調で、「からだに嬉しいしじみ汁」や、カップタイプの「スグ旨カップみそ汁シリーズ」などの主力商品が売上を伸ばしたほか、「香り楽しむ わさびと海苔」「からだに嬉しい 焼きあごだし」といった新商品が計画以上の実績を確保し、増収に貢献した。中でも「スグ旨カップみそ汁シリーズ」については具材の質感や「カップにお湯を注ぐだけで簡単にみそ汁ができる」という簡便性の認知が着々と進んでいると見ている。

塩こうじ領域は、「液体塩こうじ」を中心に家庭用・業務用ともに販売が増加、また海外における売上も堅調に伸ばし、目標としていた売上高10億円を達成した。

19年度計画では、20年1月からの液体塩こうじ・タイ新工場からの出荷を控え、19年は液体塩こうじの海外展開に注力していくとする。また、国内は、即席みそ汁「スグ旨カップみそ汁シリーズ」や19年春に新発売した「透きとおった甘酒」などを中心に売上伸長を目指していくとした。

〈「WE NEXT TWENTY」をスローガンに、塩こうじ売上20億円目指す/花岡俊夫社長〉
概要説明後の質疑応答で花岡俊夫社長は、相次いでいる食品値上げの動きについて、「物流や包材コストは上昇しているが、生産性の向上に取り組んできているので、コストダウンはできている。販売価格も今のところはコントロールできているので、(当社としては)今は考えていない」との見解を示した。

また、販売好調の業務用みそについては、「新規の取り扱いが増えている。国内だけでなく海外も好調。海外では、アジア、欧州に次いで、米国でも堅調な動きを見せている。アジアでは加工用が好調だ」とした。

即席みそ汁の伸長については、「家庭における食生活の変化が考えられる。しかし、みその販売は減っていない。だから、実際のところ何が起こっているのかわからない。全味のPR活動もみその販売に影響を与えていると思う。だだ、即席みそ汁化は間違いなく進んでいると思う。コンビニの展開も早い。当社もみそと加工食品の売上が今回初めて逆転することとなった」と述べた。

塩こうじについては、「売上10億円を達成したので、『WE NEXTTWENTY』というスローガンを掲げ、20億円を目指す。海外での販売も含んでいるので、一気に加速し、達成が早まる可能性もある」と語り、自信を伺わせた。

「透きとおった甘酒」に関しては、「店頭の回転率は悪くない。私も実際にマネキンとして、店に立とうと思っている。全ての情報が店頭にあるからおもしろい。甘酒も調味料として使えるかもしれない。今、調理例をたくさん作っている」と述べた。

〈大豆油糧日報 2019年4月8日付〉