全国味噌工業協同組合連が加工用途向け備蓄米放出要請、坂本農相は明言避ける

写真中央左が全国味噌工業協同組合連合会・永江副会長、中央右が坂本農相
写真中央左が全国味噌工業協同組合連合会・永江副会長、中央右が坂本農相

全国味噌工業協同組合連合会(満田盛護会長=会津天宝醸造(株)社長)らは4月11日、坂本哲志農相に「加工原材料向け原料米の安定供給」を要請した。

政府備蓄米の加工用途向け販売などを求めるもの。坂本農相は備蓄米を「販売する」とも「販売しない」とも明言しなかった。

この日、要請を行ったのは永江隆志副会長(マルエ醤油(株)代表)で、「現状、加工用途の米が高騰しており、主食用米を使わざるを得ない状況になっている。MA米への移行も進めているが、表示の問題もあり容易に切り替えることはできない。特別な配慮をいただけないか」とした。

これに対し坂本農相は「令和5年産フルイ下米の発生量が酷暑で少なかったことなどで困っていると聞いている。何ができるか、何を慎重に進めていかなければならないか、過去に(備蓄米を販売して)混乱した事例もあるため、そこも考えながら対応していきたい」と答えた。

【要請】加工原材料向け原料米の安定供給について

〈1〉令和5年産米は高温障害による品質低下が懸念される中、特定米穀の流通量が大幅減少するとともに相場が高騰していることから、加工原材料向けの国内産米仕入れが極めて困難な状況となっており、代替として政府備蓄米(玄米)の加工用途向け販売を行うこと。

〈2〉令和6年産加工用米契約に向け、生産者には引き続き加工用米の安定生産に努めて頂くため、「水田活用の直接支払交付金等」の適切な措置を通じた加工原材料米生産体制を確立すること。

〈3〉MA米について、国内加工原材料向けに低廉な価格で安定的に販売すること。

【要請の背景】

▽令和5年産主食用米の生産量は662万tと計画より7万t少ないため、来年6月末の民間在庫が180万tを切るなど、需給は引き締まりに向かっている。

▽令和5年産ではフルイ下米の発生量が激減し、価格高騰に歯止めが利かない。

▽特に安価な原料を必要とする味噌業界では特定米穀が重要な国産原料であり、入手困難となると操業に支障をきたす。

▽MAのアメリカ産うるち精米、タイ産うるち精米とも価格が大幅に上昇している。

▽大豆・塩などの原料費、光熱費、包材、物流費などの値上げが重なり、価格転嫁に努めているが、販売数量が減少して経営に打撃をこうむっている。▽インバウンド需要などで味噌の製品需要が戻りつつあり、輸出拡大にも取り組んでいる。それに応じた原料確保が喫緊の課題。

〈米麦日報2024年4月15日付〉

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