ニップン、創業130周年を前に「信頼」の重要性強調 経営セミナーで組織づくりと日本経済を講演

ニップン 佐藤高宏取締役常務執行役員
ニップン 佐藤高宏取締役常務執行役員

ニップンは7月29日、東京都千代田区のベルサール九段で「第30回ニップン経営セミナー」を開いた。9月に創業130周年を迎えるのを前に、佐藤高宏取締役常務執行役員製粉事業本部長が、長年にわたり事業を支えてきた顧客や取引先との信頼の重要性を強調した。セミナーでは、識学の安藤広大代表取締役社長と、プラネットの玉生弘昌名誉会長が、組織づくりや日本経済をテーマに講演した。

冒頭、佐藤常務は、同社が明治、大正、昭和、平成、令和の5つの時代にわたって事業を継続してきたことに触れ、「お客様や取引先の皆様との信頼関係があったからこそ、今日まで歩んでくることができた」とあいさつした。

同社は近年、家庭用冷凍食品「オーマイプレミアム」のブランド強化や、2021年の日本製粉からニップンへの社名変更など、企業と商品の価値向上に取り組んできた。佐藤常務は「ブランドとは、お客様からの信頼そのものだと考えている」と述べ、品質や商品、サービスを通じて積み重ねる信頼が、企業の持続的な成長を支えるとの考えを示した。

創業130周年については、長い歴史を振り返るだけでなく、今後も顧客や取引先から選ばれる企業であり続けるため、信頼を積み重ねていく節目と位置付けた。経営セミナーについても、取引先に経営や事業運営に役立つ情報を提供し、関係を深める目的で継続してきたと説明。「本日の講演が、皆様の経営の一助となり、当社との信頼関係をさらに強める機会になれば」と期待を寄せた。

第1部では、安藤氏が「100年企業を創るための『とにかく仕組み化』」をテーマに講演した。

安藤氏は、早稲田大学ラグビー部で監督交代を機に練習方法や組織のルールが変わり、同じ選手でありながらチームの成果が大きく変わった経験を紹介。「人の能力だけでなく、置かれた環境や仕組みによって結果は変わる」と述べた。

自身もかつて、部下から慕われることを重視する一方、適切な指導や評価ができず、部下を成長させられなかった経験があると説明。組織では一人ひとりの常識や「良かれと思うこと」が異なるため、個人の感覚に任せるのではなく、ルール、責任、権限、評価者を明確にする必要があると指摘した。

挨拶や期限、報告方法など、能力にかかわらず守るべき「姿勢のルール」を定めるとともに、責任に見合う権限を与え、評価項目と達成期限を明確にすることが重要と強調した。「成長せざるを得ない環境」を仕組みとして整えることが、社員の成長と組織の持続的な発展につながるとし、属人的なマネジメントではなく、仕組みによる組織運営が100年企業を支えると説いた。

第2部では、玉生氏が「日本経済発展の秘話と現代経済学的な解釈」と題して講演した。

玉生氏は、終戦直後に大蔵大臣を務めた渋沢敬三が財産税の財源を水道、電気、道路、鉄道などの復旧に充てたことが、日本の早期復興につながったと説明。ケインズの乗数理論や財政投融資、所得倍増計画が高度経済成長を後押ししたと振り返った。

一方、国の豊かさは国内総生産(GDP)だけでは測れないと指摘。GDPは経済活動の「フロー」を示す指標であり、社会資本などの「ストック」の価値を十分に反映していないと説明した。

「失われた30年」と呼ばれる間にも、道路や鉄道の整備、点字ブロックの普及、交通信号のLED化など、社会インフラは着実に充実したと指摘。社会的コストの低下はGDPを押し下げる場合もあるとして、GDPだけで豊かさを判断することには限界があるとの見方を示した。

さらに玉生氏は、社会インフラには、水道や道路などの「全国民的インフラ」のほか、農業用水のような「地域特化型インフラ」、特定の業界が共同利用する「業界特化型インフラ」があると説明した。

その具体例として、自ら創設に携わったプラネットと、食品業界のファイネットを紹介。ライオンなどの日用品メーカーが共同で構築した受発注ネットワークの仕組みを食品業界にも開示し、それを参考にファイネットが設立された経緯を説明した。

最後に、プラネット創業時に掲げた「競争は店頭で、システムは共同で」との考えを紹介。商品や販売では競争しながら、受発注やデータ交換などの共通基盤を共同利用することが、業界全体の効率化や品質向上につながると語った。

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
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