【社長復帰インタビュー】ケンコーマヨネーズ・炭井会長兼社長「開発背景など伝え歴史的商品残す」
ケンコーマヨネーズは今年6月、炭井孝志会長が3年ぶりに社長に復帰し、会長職と兼務する人事を実施した。復帰から約2カ月経った炭井会長兼社長に、今後の経営に対する方向性や新たな取り組みなどについて聞いた。
今年は、ケンコーマヨネーズが日本で初めて「ごぼうサラダ」を発売して40周年にあたる。
和食の食材だったごぼうを、洋食のサラダに使ったことで話題となった商品だが、6月に再び社長職を兼任することになった炭井孝志会長にとっては、思い出深い商品でもあるという。
当時、ドレッシングは野菜にかけるものというイメージがあった中、だしの旨味がきいたクリーミーな和風味が特徴のドレッシングとごぼうを和えるという画期的な提案から生まれた「ごぼうサラダ」。
泥付きのごぼうを使い、風味と歯ごたえを最もよく味わえる形状と味付けにこだわって売り出したところ、食物繊維(ファイバー)ブームも相まって売り上げが伸びた。そして、今では定番のサラダとして定着している。
「腸活」の注目などで再び食物繊維がブームとなる中で、秋から40周年を記念した企画を始める。そこで、同社が「ごぼうサラダ」のパイオニアであるといったストーリーも伝えていくという。
そして、「近年は売上データをもとにアイテムの統廃合を進めたが、他にはないユニークな商品作りが当社の強み。開発の背景や意義も伝え、歴史的な商品が残るようにしたい」と語るように、5月には「世界を旅するドレッシング シルタースタイル~シルキーオニオン~」を再販した。

〈市販用に本腰入れドレッシング等を量販店で販売へ〉
販売チャネルについても、コロナ禍での経験をもとに、市販用に本腰を入れることを決めた。それは、「これまで業務用で培ったノウハウをもとに、その美味しさを一般の方にも知ってもらいたいから」だという。
今も通販や一部店舗で、いくつかの商品を販売しているが、今後、量販店やドラッグストアでドレッシングなどの常温製品や、これも同社が日本で初めて開発した「ロングライフサラダ」等を広く販売できる環境にしていきたいと考えており、PR施策についても検討を進めている。
さらに、国内外でM&Aを積極的に進め、2035年度に海外売上高比率を30%まで引き上げる計画だ。これらの施策を進めながら、中期経営計画で掲げる2035年度の連結売上高2,000億円達成を目指す。
同時に、社内の改革も進めており、2月に実施した東京・高井戸から同・四ツ谷への本社移転は、物件探しからコンセプト作り、多目的キッチンスペース設置まで、現場の声を吸い上げる形のプロジェクトで実現。アクセスの良好なオフィスは、顧客INの発想で「お客様との共創の場」としての拠点とする。
3年ぶりに社長に復帰しての意気込みとして、「今ある宝を活かして、残すものは残しつつ、新しいことにも積極的に挑戦する」と語った。
経営者育成にも注力しており、「これからは、カリスマ性のある一人が会社を引っ張るだけではなく、各役員の知識や経験を結集しながら経営する形になるだろう」として、バトンを渡せる人材が育つことに期待を寄せた。
【プロフィール】
すみい・たかし 1953年8月7日生まれ、香川県出身。78年東京水産大学(現東京海洋大学)卒業、同年6月ケンコーマヨネーズ入社、98年6月管理部門部門長、99年6月取締役、2000年6月代表取締役社長、23年6月代表取締役会長、26年6月代表取締役会長兼社長







