ADEKAが18年新製品8品発表、「未来を拓くRISU BRAND」テーマに

大豆油糧日報 2018年3月30日付
〈技術とサービスで顧客課題を解決、使いやすさをおいしさにつなげる〉
ADEKAは27日、マーガリン、ホイップクリーム、フィリングなど新製品8品の発表会を本社(東京都荒川区)で開いた。18年新製品のテーマは「未来を拓くRISU BRAND」とし、顧客の商品価値の向上をサポートし、利益拡大に貢献する製品をそろえたとしている。

新製品の方針は、斉藤隆宏・食品企画部長が説明し、「17年は7品種、18年は8品種の新製品を上市するが、17年度業績は前年を上回る見込みで、加工油脂・加工食品製品では新製品の寄与率が高い」と述べた。さらに市場については「健康志向訴求などの高単価製品の反面、価値を訴求しながら安価な製品も見受けられる。顧客に製品コンセプトを伝え、原材料の一翼を担うメーカーとして、貢献していく」と話した。

新製品のテーマについては、青木幸央・マーケティンググループ―リーダーが説明し、「特長のある技術とサービスで顧客の課題解決、価値ある商品開発をサポートしていく。食品業界では、価格の二極化や人手不足などの課題がある中で、省力化や効率化、自動化がキーワードになる」との認識を示した。

その上で18年新製品は、おいしさ、使いやすさをコンセプトにしていると述べ、「作業性だけではなく、コストパフォーマンスや安全・安心、安定供給も使いやすさにつながる。この使いやすさが、風味・食感や安定性などのおいしさにつながる。顧客の課題解決に貢献していく」と話した。

〈パンのソフト性が持続するマーガリン、クリーム・ビターチョコフィリングなど〉
新製品の個別概要は、奥村佳史・第一食品開発室長が次のとおり説明した。

△練り込み用マーガリンの「コンツェル」(10kg)は、パンのソフト性が持続し、歯切れ、口溶けのよいパンが作れる設計で、作業性も良く、練り込まれやすく、乳化剤不使用だとした。奥村室長は「ソフト性は、デンプンとグルテンに着目し、従来の酵素配合を変え、食物繊維を加えた。食感全体を良くする設計となっている」と述べた。

△練り込みマーガリンの「エレバールクレア」(10kg)はデニッシュ生地専用で、ジューシー感、バター感が向上する。生地や折り込み油脂の風味を引き出し、乳のコクと味わいを向上させる設計で、低温でも生地への分散が良く、作業性にも優れている。

△折り込み油脂の「オリンピアエフィーユシート」(1kg×15)はデニッシュ生地専用で、「エレバールクレア」と合わせて使う事で、より良いデニッシュが作れる。ボリュームがあり、明瞭な内層のデニッシュが作れる。微細結晶技術により、伸展性に優れ、ホイロ耐性にも優れ油脂分離が少なく、パン生地の結着を抑制できる。

△練り込み用クリームの「ビオラモイスト」(10kg)は、水分保持に着目した乳化クリームで、焼きたてパンのしっとり感を持続させる。保水素材を使用することで、パン生地の水分を保持でき、おいしさを持続できる。

△フィリングクリームの「クレメールホイップ」(10kg)は、ミルキーでコクがあるバター風味クリームで、食感の柔らかい生地や、リッチな生地へのサンドや注入など、幅広い用途で使用できる。

△ロールインフィリングの「レジーナシート(ビターチョコ)」(1.2kg×10)は、カカオの味わい豊かで、ビターチョコ風味のパンを作れる。優しい甘みとほのかな苦味で、すっきりとした後味が持続する。

△チーズ風味ペーストの「フロマクリエガトー」(5kg×2)は、自然でまろやかなクリームチーズ風味のペーストで、良好な作業性、焼き残り性があり、生食、練り込み、焼き込みなどあらゆる洋菓子に使用できる。低温でもソフトな物性で、他の素材との混合もできる。

△冷凍ケーキ生地の「抹茶ケーキフィリング」(900g×12)は、解凍して焼成するだけで、手軽に抹茶ケーキを作れる。宇治抹茶を配合し、三角袋で絞りやすく、作業性にも優れている。

〈大豆油糧日報 2018年3月30日付より〉

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