売上高は初の400億円超え、かける需要掘り起こし、洋食に合うごま油開発【かどや製油】

かどや製油は26日、オンラインで決算説明会を開いた。25年度は増収増益となり、売上高は初めて400億円を超え、営業利益は2割増で着地した。26年度について北川淳一社長は「屈む年」と位置付け、海外のさらなる拡販を行っていく一方、先行投資による減益を計画しているとした。中期経営計画の重点施策として、かける需要の掘り起こしによる既存事業の充実、洋食に合うごま油の開発、副産物の付加価値化の3点を挙げた。なお、中東紛争の影響については、包装資材や電気ガスなどの価格高騰で2億円増を見込む。業務用容器のタフテナーの調達に負担があることから、一斗缶への変更を進めているとした。

25年度は、国内では適正価格の浸透とシェア上昇、海外では北米での数量成長を維持し、売上高は1.4%増の400億3,000万円、営業利益は20.5%増の38億1,800万円となった。

26年度は、海外でのさらなる拡販、国内新商品の展開により、売上高は2.4%増の410億円、営業利益は24.0%減の29億円と予想している。北川社長は、「28年度を最終年度とする中期経営計画の達成に向けて、今期はあえて屈む年と位置付ける。事業開発、市場開発、経営基盤の構築に先行投資を行う」と説明した。

中計達成に向けた重点施策として3点を挙げた。1つ目は、かける需要の掘り起こしによる既存事業の充実、2つ目は洋食に合うごま油の新しい商品投入による需要創造、3つ目はごまの搾りかすなど副産物の付加価値化だ。この3点を実現するための経営基盤の構築も進めていくとした。

まず、既存事業の充実について説明した。成長エンジンとする海外ごま油事業は、輸出の約8~9割が北米向けだ。米国では輸入でごま油市場が構成されている。そのうち36%を占めるメキシコに次いで、日本は34%の構成比を持ち、同社のシェアは約7割で安定推移しているという。日本のごま油がプレミアム品と評価される中で、同社の商品はその代表という確固たるポジションを築いているとした。今年度は米国のファンとのコミュニケーションを強化する施策を実施していく考えだ。

国内の家庭用については、「世界のごま油市場で戦っていくために日本ナンバーワンのブランド力が非常に重要な競争優位の源泉だと強く認識している。このブランド価値を強化していくことに積極的に取り組む」と強調した。

25年度は「かどやのごまたび」と称したキッチンカーを全国9カ所で展開し、好評を博した。また、個包装タイプの「使い切りパック 純正ごま油」、フンドーキンと開発した「ごま油卵かけ醤油」といった新しい商品の開発にも挑戦したことを紹介した。後者は九州の一部で販売開始しているが、来月からは全国の成城石井で一部店舗を除いて販売する予定だという。

〈業務用は質的拡大と量的拡大図る、副産物の付加価値化は食品利用の研究推進〉

業務用については、「質的拡大と動的拡大の2面からアプローチを図っていく」とした。質的拡大としては、叙々苑の看板メニューの一つである「叙々苑サラダ」には同社のごま油が使われ続けていることに触れ、「業務用においても私どもの価値を認めてもらえるファンをできるだけ増やしていくことによって、適正価格の浸透を推進していきたい」と述べた。

量的拡大については、「国内の飲食店は約50万店ほどあると認識しており、その4分の1のテーブルにごま油を置いてもらい、月に1本消費されるだけでも年間で1,200t、売上で25億円相当の新しい市場を開拓できると捉えている。そのような観点から引き続きかける調味料としての価値を伝達していくためのチャンネル開発に取り組んでいく」と説明した。

副産物の付加価値化については、ごま油の搾りかすは現在、飼料用を中心に販売しているが、食品利用の研究を進めているという。パンや麺類、菓子、飲料などで、同社の副産物を使って製造した試作品には一定程度の関心が持たれているという手応えを得ており、「今年度中には食品素材として必要となる設備投資について意思決定していく」と語った。

洋食に合うごま油は今年上市する予定だ。「サラダやパスタ、パンに使えるコンセプトで、オリーブ油より求めやすい価格で届けることを目指して開発を進めている」と述べた。

〈大豆油糧日報2026年5月28日付〉