大豆ミールの新たな評価指標をMITと開発中、SSAP使用を50カ国へ【USSEC】

右から ジム・サッターCEOとカルロス・サリナス東アジア担当エグゼクティブディレクター
右から ジム・サッターCEOとカルロス・サリナス東アジア担当エグゼクティブディレクター

アメリカ大豆輸出協会(USSEC)は5月28日、日本事務所開設70周年のレセプションに合わせて来日したジム・サッターCEOとカルロス・サリナス東アジア担当エグゼクティブディレクターがメディア向けに会見を開いた。世界で大豆ミールの需要は年々増加しており、東アジアでは今後10年で3,500万t、大豆換算で米国の年間輸出量と同規模の4,400万tが必要になるとの見通しが示された。市場が拡大する中、高品質な米国産の大豆ミールの優位性が強調されるとともに、大豆ミールの新たな評価指標を、MIT(マサチューセッツ工科大)と開発中であることも明かされた。さらにサッターCEOはSSAP認証マークの使用国を、現在の24カ国から2030年に50カ国まで増やす目標を掲げた。

サッターCEOは会見の中で中東紛争の影響について触れ、「大豆の在庫はあり、供給については問題がない」とした。懸念があるとすれば農家が負担することになる肥料や燃料のコスト増だとするが、「事態が起きる前に大半の農家が肥料や燃料を購入済みのため、直接的なコスト増の影響は限定的である」と説明した。

一方、これから作付が行われるブラジルでは大豆作付の採算悪化が見込まれ、レアル高による輸出採算の悪化などもあり、次期の作付は減り減産となる可能性が示された。

世界で大豆の需要が年2,000万t規模、年率4%ほどで伸びている背景として、多くの国で生活水準の向上による畜肉や食用油、大豆食品の消費拡大を挙げた。米国が毎年増産してきたことに加え、この10年はブラジルでの生産が増え、世界の需要を満たしてきたとする。

日本については、「とても重要な市場でトップ10に入る。日本は独特で食品大豆、搾油して油脂や飼料で使われている。国際的な取引を行った初めての国で、資源を集中的に投下してきた。長年、日本は素晴らしい市場だった」と評価した。

中国を含めた東アジアを担当するサリナス氏は、「他の油糧種子に比べると大豆は生産国が集中している。米国、ブラジルで7割を生産しており、グローバルな輸出の約84%をまかなっている。生産と輸出が2カ国に集中し、輸入は中国が6割を占める。大豆業界を後押ししている米国、中国、ブラジルの状況を見ていく必要がある」と述べた。

25/26年度のミールの需要は中国、米国、ブラジル、インドネシアで伸びている。家禽、養豚、養殖の需要増が背景にあるが、大豆ミールは価格面で魅力的な原料になっており、飼料の配合率が上昇したことが需要拡大につながっているとした。

米中関係についてサッターCEOは、「米中首脳会議に私たちは満足している、関係もポジティブなものになった。1,200万tの購入はコミットされ、ほぼ出荷済みだ。さらにその後3年間、毎年2,500万tの出荷することになる。26年8月度にもさらに追加で購入される可能性がある」と見通しを述べた。

今年で事務所開設30周年となるフィリピンは今年、大豆の輸入を前年比50%増の100万tに増やしたという。東アジアの大豆ミール需要は今後10年で3,500万t増加する見通しで、そのためには約4,400万tの大豆が必要になるとした。これは現在の米国の年間輸出量と同規模であり、需要が供給を上回る中で、効率的に大豆を生産、加工するだけでなく、飼料業者に最適な配合システムが採用されることを期待するとした。

<米国産大豆ミールは自然乾燥で傷つきにくく、可消化アミノ酸の含有率高く品質安定>

米国産の大豆ミールの優位性についても説明された。ブラジルの場合は収穫期に雨が多く降り、土壌がウェットになる。18~19%という高水分の大豆を乾燥させる必要があり、木材を燃料にした乾燥ではかなりの被害粒が出てしまうという。「均一に乾燥させないと加熱されて大豆のたん白質が損なわれる。油の色にも影響が生じる」と解説した。

一方、米国の場合は10月はじめに低い気温で収穫し、水分量は10%ほどで保存の状態が良く、出荷の際に良好な条件が整うことを強調した。

大豆ミールの飼料としての価値を測る指標は、100年以上前から粗たん白質(窒素量×6.25で算出)をベンチマークにしてきたという。それに対してサッターCEOは、「可消化アミノ酸を見ないといけない」と力説した。「米国産大豆ミールは自然乾燥なので傷がつきにくい。優良な環境で夏は暑く、気温が下がるため、可消化アミノ酸の含有率が高く、品質も一貫している。給餌試験でも家畜の体重が増加し、より効率的に育てられる」と説明した。

その上で、「粗たん白質は効果的ではない。新しい指標としてMITの協力のもと『ゴールドスタンダード』を開発しようとしている。ゲームチェンジャーになるだろう」と力を込めた。SSAPのロゴは現在24カ国で商品に使われているが、サッターCEOは「2030年までに50カ国へ拡大する」と目標を語った。

サリナス氏は、米国産大豆を使うことでカーボンフットプリントを削減できる点を強調した。スコープ1・2に加えて、スコープ3の排出量測定を求める流れが高まっており、特に養豚・養鶏ではスコープ3の約75%が原料に起因することから、カーボンフットプリントの低い原料調達が増えていくと見通した。

〈大豆油糧日報2026年6月4日付〉

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