【マーガリン市場動向】家庭用はバターの高騰でグルメタイプが代替需要の受け皿に
25年度家庭用マーガリン市場は、インテージSRI+によると、金額ベースで前年比3%増となった。バターが値上げされたことで、代替需要が高まった。米の高騰により食パンの需要が高まったことも寄与した。
カテゴリー別では、プレーンタイプは1%増、ヘルシータイプは3%減、グルメタイプ(バター風味・バター入り)は7%増、ケーキ用は2%増だった。物量ベースではグルメタイプのみ2%増、そのほかは前年を割った。
値上げが行われたバターから、マーガリンへのシフトが起こり、グルメタイプが主な受け皿となったことで全体をけん引した。
昨年5~6月以降、食パンの需要が増加したことで、マーガリンの登場回数が増えたことも売上に貢献した。
中東情勢の影響については、足元は問題ないと回答したメーカーが多かったものの、今後も容器が安定供給できるかは不透明な状況だ。「6月以降は供給の確約が取れていない」(メーカー)との声も聞かれる。
さらに、家庭用・業務用を問わず、バイオディーゼルの需要が高まったことで、大豆油や菜種油、コーン油などの価格の上昇が懸念されている。
容量別では、g単価が安い大容量が引き続き支持されている。
家庭用メーカーでは、若年層を取り込むような施策に力を入れている印象だ。雪印メグミルクでは、未就学児から小学校低学年をターゲットとした甘味系マーガリン「メープル&バター風味ソフト」を3月に新発売し、順調な販売実績を築いているという。
明治では、子育て世代に向けて「チューブでバター1/3」のウェブCMを昨年と4月に配信し、利便性を改めて訴求している。
〈業務用は風味を底上げする製品に引き合い、中東情勢に伴い包装資材など急激な値上げ〉
業務用加工油脂の25年1~12月は、日本マーガリン工業会の食用加工油脂生産量によれば、前年比1%増で着地した。インバウンドの増加に伴い、土産菓子向けや外食向けが堅調だったという。米高騰に伴う製パンメーカーの好調も後押しした。
汎用品だけでなく、コンパウンドマーガリンも苦戦傾向にあった。バターの価格が高騰したことで、コンパウンドマーガリンの価格も上昇し、値ごろ感が感じにくくなったためと考えられる。
一方、バター風味の添加剤や、バター風味を強化できるマーガリンなど、バターの配合量を減らしても風味豊かに仕上げられる製品に引き合いがあった。高騰している抹茶やチョコレートの風味を底上げできる製品も採用が広がった。また、少量添加で効果を発揮する、コストダウンに寄与できるような製品も評価が高い。
中東情勢に伴い、流し込みマーガリン用のビニールや樹脂シート、ポンドマーガリン用の包装紙などで不足や急激な値上げが起こっているという。さらに、「海上保険やフレートなど、これまでと異なるコストアップもあると思う」との推測も聞かれる。
すでに包装資材の急騰を要因とした製品の価格改定を交渉しているマーガリンメーカーも複数ある。とはいえ、中東情勢以前から、人件費や物流費は上昇しており、販売状況は厳しさが増している。
〈大豆油糧日報2026年6月15日付〉







