植物ミルク発酵素材の新ブランド「DEALI」、乳製品に並ぶ新たな選択肢に【不二製油】
不二製油は、植物ミルク発酵素材の新ブランド「DEALI(デアリ)」を立ち上げ、4月から新製品3品の展開を始めた。ラインアップは、植物ミルククリーム「DEALI fresh」(1000mlブリック)、植物ミルク発酵バター「DEALI bright」(500gポンド)、植物ミルクチーズ「DEALIcreamy」(500gピロー)。乳原料・香料を使用せず、大豆とオーツ麦を原料に、搾汁技術と発酵技術を組み合わせることで、乳製品のような自然な香りとなめらかな質感を実現した。パティスリーやベーカリーを中心に提案を進める。同社では、乳製品を置き換える代替食品としてではなく、乳製品に並ぶ新たな選択肢として提案していく考えだ。担当者は「植物性だから選ばれるのではなく、おいしいから選ばれる素材にしたい」と話す。
開発の背景には、乳原料を取り巻く環境変化がある。世界的な需要増加に加え、国内では乳価の変動や酪農家の減少などにより、乳原料の安定調達が課題となっている。一方で、SNSの普及などを背景に、おいしさだけでなく、見た目や食感を含めた新しい体験価値も求められるようになった。
担当者は「新しい商品開発には、新しい素材の活用が必要になってきている」と指摘する。「素材の可能性を広げることで、お客様が自由な発想で商品開発できるようにしたい。また、乳に依存しすぎなくてもブランドや商品価値を維持できる選択肢になればうれしい」と語る。
■「植物×発酵」で乳らしさ追求、香りに特徴ある素材とも調和
開発にあたって、牛が牧草などの植物を食べ、体内で発酵や代謝を行いながらミルクを生み出す仕組みに着目した。「植物と発酵を組み合わせれば、乳製品のような風味を表現できるのではないか」と発想し、開発を進めた。
それを可能にしたのが、同社独自の発酵技術だ。微生物が育ちやすい環境を整えることで、より多くの風味成分を創出し、自然でかろやかな香りを実現した。担当者は「微生物が発酵により自然に作り出す風味で十分な乳らしさを表現している」と話す。
原料には、乳のような濃厚さを持つ大豆と、やさしい甘さを持つオーツ麦を使用。同社の搾汁技術を活用することで、濃厚でなめらかな植物ミルクをつくり上げている。
「DEALI」は、クリーム、発酵バター、チーズの3タイプを展開する。「DEALI fresh」は繊細でなめらかな質感と爽やかな香りが特徴のホイップタイプ、「DEALIbright」は発酵バターのような爽やかさとミルキー感を備えた発酵バタータイプ、「DEALI creamy」はしっかりとしたボディ感と爽やかな香り、ほどけるようなくちどけが特徴のペーストタイプとなる。

発酵由来の自然な香りにより、ライチや柑橘、カカオ、煎茶など香りに特徴のある素材とも調和する。従来の乳素材を使うとミルク感が前面に出やすかった素材でも、DEALI を使うと、ミルク感も素材も両方楽しめる表現が可能になるという。
提案例の一つである「DEALI bright」を使用したミルクフランスでは、発酵バターのような爽やかさとミルキー感を表現している。「DEALI creamy」とライチを組み合わせた「デュアリテ」では、繊細なライチの風味を最後までしっかりと感じられる。


ブランド名「DEALI」には、「さまざまなおいしさとの出会い(DEAI)」や、その喜びを「日常(DAILY)に届ける」、合わせる素材や食べる人・作る人に「寄り添う親しみ(DEAR)」という意味を込めた。
パッケージはライトグレーとホワイトを基調としたシンプルで上質感のあるデザインだ。担当者によると、専門店の冷蔵庫に並んだ際に「気分が上がる」ことを意識して仕上げたという。乳と同じように使用でき、洋菓子やパン、総菜向けなど業務用中心に販売する。26年度は生産数量を絞って展開し、パティスリーやベーカリーなどと活用方法を共創する「価値探索フェーズ」と位置付ける。27年度以降は段階的に生産数量を引き上げる予定だ。
〈大豆油糧日報2026年6月17日付〉








