「液体塩こうじ」肉の軟化と風味向上効果のメカニズムを科学的に解明【ハナマルキ】
ハナマルキは茨城大学との共同研究で、「液体塩こうじ」が肉を軟らかくするメカニズムと、うま味・甘味成分増加に関わる具体的な酵素の働きを科学的に解明した。研究の成果を取りまとめた論文は、国際学術誌に掲載された。
塩こうじは、たん白質を分解して食材を軟らかくし、風味を向上させる調味料として注目されてきた。しかし、塩こうじに含まれる個々の酵素や成分が、食材のたん白質に対してどのように作用しているか、その詳細なメカニズムは科学的に解明されていなかった。
共同研究で得られた知見として、「液体塩こうじ」で牛肉を処理した際、たん白質の分解は温度40~50度、pH5.0の環境下で最も促進されることが分かった。一般的な食肉の漬け込み温度である冷蔵環境下(4度)や、一定の塩分が存在する状態でも、たん白質がしっかりと部分分解され、軟化効果を発揮することが確認された。
次に、物理的な牛肉の硬さ(破断応力)を測定したところ、「液体塩こうじ」に浸すことで、牛肉の破断応力が45%ほど低下(軟化)した(グラフ)。さらに、熱処理によって酵素を完全に失活させた「液体塩こうじ」を用いた場合でも、未処理の肉と比較して20%ほど軟化することが認められた。これは、塩こうじに含まれる酸や塩といった成分が、酵素以外の「非酵素的軟化因子」として、肉の軟化に寄与していることを示しているという。

最後に、塩こうじに含まれる酵素「アスペルギロペプシンⅠ」が、牛肉の筋原線維(筋肉の構造を作るたん白質)に対する作用を調べた。調査の結果、「アスペルギロペプシンⅠ」が筋原線維の特定部位を分解し、筋肉構造を細分化していることが解明された。この分解に伴い、うま味成分や甘味成分となる遊離アミノ酸が増加することが確認された。
ハナマルキは、「当社はこれからも、この知見をベースに、発酵の力を活かした健康で豊かな食生活への貢献を目指し、さらなる研究開発に取り組んでいく」とコメントしている。
〈大豆油糧日報2026年6月19日付〉







