コカ・コーラ、「ジョージア」でカフェウォーター コーヒー豆不使用の新提案
日本コカ・コーラは9月21日、主力ブランド「ジョージア」から、コーヒー豆を使わない清涼飲料水「ジョージア カフェウォーター」を発売する。独自技術でコーヒーらしい香りや風味を再現した。苦みや渋みを抑え、水や茶のようにごくごく飲めるコーヒーテイスト飲料として展開する。
商品は500mlPETで、希望小売価格は149円税別。品名は清涼飲料水。100ml当たり0kcalで、原材料には食物繊維、香料、カラメル色素などを使用する。まずはコンビニエンスストアなどOTCチャネルを中心に展開する。
開発の背景には、コーヒー豆の価格高騰や、将来的な供給不安がある。気候変動の影響でコーヒーの栽培適地が将来的に半減する可能性が指摘される「コーヒーの2050年問題」も、その一つだ。日本コカ・コーラ マーケティング本部の新田祐一郎氏は、「2050年問題を見据えた時に、将来的にコーヒーがもっと高くなる、収穫できなくなる可能性がある。そうした中で、会社として違う代替手段を提供したいというのがプロジェクトのきっかけだった」と説明する。
同商品は、PETコーヒーの飲用変化も見据えている。近年はPETコーヒーに対し、「ごくごく、すっきり飲める」「水分補給のように飲める」といったニーズが高まっているという。同商品はカフェイン量も抑え、軽やかに飲める設計にした。茶や炭酸、水などで無糖飲料が広がる中、コーヒーの香りを楽しめる新たな無糖の選択肢としても位置づける。
新田氏は「コーヒー豆を使わないことによって、水分補給に適した飲みやすさや後味のすっきり感を出しながら、コーヒーを楽しみたい人に向けた香りや満足感も両立できた」と話す。
実際に試飲すると、通常のブラックコーヒーよりも軽やかな飲み口で、香りはしっかり感じられる。後味にコーヒー特有の重さが残りにくく、暑い時期にも飲みやすい。従来の「濃い」「本格的」といったショート缶やボトル缶コーヒーとは異なる、軽やかな飲用シーンを狙う。
技術面では、コーヒー豆を一部使うのではなく、不使用の設計に踏み切った。開発段階では、コーヒー豆を75%、50%、25%使うパターンや、0%のパターンなどを並行して研究したという。最終的に、0%で味の再現に一定のめどが立ったことから商品化を決めた。
新田氏は「200種類に及ぶ香りの組み合わせを分析し、その組み合わせによってコーヒーの味わいを再現した。香りの成分をバランスよく配合することで、コーヒーと感じられる味を作っている」と説明する。香味成分に加え、甘味、酸味、苦味などの呈味成分、食物繊維による口当たり、コーヒーらしい液色も組み合わせた。関連技術は特許出願中だという。
商品名を「カフェウォーター」としたのは、従来のコーヒー飲料とは異なる価値を伝えるためだ。表示上、コーヒー豆を使わない商品に「コーヒー」と単独で記載することは難しい。そのため、「カフェ」という言葉でコーヒーらしさを伝えながら、「ウォーター」で軽やかさや飲みやすさを表現した。
新田氏は「ネーミングは50案ぐらい考えた。『ビーンレスコーヒー』のように直接的な案や、環境文脈に寄せた案もあったが、この商品の提案価値を伝えるには『ウォーター』という言葉が合うと考えた」と話す。消費者調査でも、「カフェウォーター」という名称は新しさやユニークさを感じられるものとして評価されたという。
ターゲットは大きく二つある。一つは、RTDコーヒーを多く購入してきた40~50代男性。コーヒー飲料の値上げが続く中で、購入頻度を減らした層に向け、通常のPETボトルコーヒーより手頃な価格の選択肢として訴求する。もう一つは、コーヒーの苦みや渋みが苦手な若年層や、これからコーヒーを飲み始める層だ。軽やかな味わいにすることで、コーヒーカテゴリーへの入り口としての役割も見込む。
同社は当初、同商品の発売を2027年以降に計画していた。しかし、試作品の完成度が高まったことから発売時期を前倒しした。新田氏は「昨年春ごろに試作品を飲んだ時に、これはいけそうだと感じた。当初は2027年以降に出す計画だったが、これならいけるのではないかと考え、今年発売することにした」と明かす。
コーヒーの未来を見据えた新たな選択肢づくりは、他社でも進んでいる。アサヒ飲料は新価値創造商品の一つとして、コーヒー豆を使用しない「未来のBLACK」「未来のLATTE」の展開を計画している。コーヒーの代替素材でつくる飲料で、植物由来のカフェインを使用する。2027年の発売を予定しており、世界的なコーヒー消費量の増加や、気候変動によるコーヒー栽培適地の減少などを背景に、コーヒーの未来に新たな選択肢を提供する考えだ。
日本コカ・コーラは、「ジョージア カフェウォーター」を、コーヒーの未来を見据えた新しい選択肢の一つとして提案する。既存のコーヒー飲料の代替にとどめず、より多くの人に手に取ってもらうコーヒーカテゴリーへの新たな入口として育成する考えだ。新田氏は「ジョージアがやるからこそ、コーヒーとしての味わいをしっかり担保してくれているという信頼感が生まれる。これを本当に定着させたい」と語る。
同社は同商品を通じて、コーヒーを日常的に飲んでいない若年層や、苦み・渋みが苦手な層との接点づくりを図る。新田氏は「これを入り口にして、最終的にはコーヒーそのものの味わいも楽しんでもらえればいい。コーヒーカテゴリーの裾野を広げられる商品になることを期待している」と話す。







