大阪ヒガシを「食」の開発拠点に、シンポジウムに不二製油大森社長登壇

「大阪ヒガシエリア『食』によるまちづくり構想シンポジウム」
「大阪ヒガシエリア『食』によるまちづくり構想シンポジウム」

不二製油、大阪公立大学、日本経済新聞社大阪本社は24日、大阪公立大学森之宮キャンパスで「大阪ヒガシエリア『食』によるまちづくり構想シンポジウム」を開いた。大阪市では、「キタ」と「ミナミ」を結ぶ南北軸に加え、万博会場となった夢洲などの「ニシ」と、大阪城公園周辺の「ヒガシ」を結ぶ東西軸を新たな都市成長軸として強化している。「ヒガシ」は大阪城、京橋、OBP、森之宮周辺を一体的に捉えたエリアで、大阪公立大学森之宮キャンパスの開設などまちづくりが進む。シンポジウムでは、この新たな都市拠点で「食」を軸に人、地域、産業をつなぎ、新産業や交流を生み出す可能性を探った。

パネルディスカッション「MIRAI FOOD 開発拠点大阪ヒガシへの道」の冒頭、大阪公立大学大学院生活科学研究科の桒原晶子教授が、「食で未来をつくるまち」を目指す構想を提案した。食には健康を支えるほか、産業を動かし、地域の文化や物語を通じて人を呼び込む力があると指摘。栄養学、フードテック、ガストロノミーを軸に、大学、企業、行政が食品やサービスを共創し、まちで実証、評価・改善して次の研究につなげる循環を構築する考えを示した。「大阪にはすでに豊かな食文化がある。新たにつくりたいのは、その力を健康・文化・産業へ循環させる仕組み」とし、「大阪ヒガシを、その循環が生まれる場所にしたい」と語った。

続いて、桒原教授、公立大学法人大阪の福島伸一理事長、不二製油の大森達司社長、JTBの森口浩紀常務執行役員が、同構想を踏まえ、産学連携や食の多様性、観光・交流への展開などについて意見を交わした。

福島理事長は、大学の研究シーズと企業などのニーズを掛け合わせ新たな商品・サービスの創出や社会課題の解決につなげる考えを示した。

大森社長は、国際都市には宗教や食習慣など異なる背景を持つ人に対応できる「食の多様性」が重要とし、植物性食品も選択肢を広げる手段の一つと位置付けた。中でもおいしさを重視し、植物性食品について「植物性にしてはおいしい」という評価では普及しないとの考えから、おいしさの基礎研究を進めてきたと説明し、まず「おいしい」と感じ、その後に植物性原料でできていることを知るという順番が重要とした。

同社は油脂や大豆たん白などで培った技術を組み合わせ、植物性素材だけで動物性食品のような満足感を表現する技術「MIRACORE(ミラコア)」を開発、植物性ダシなどに展開している。気候変動などによる天然原料の調達リスクにも触れ、植物性への一律の転換ではなく、動物性や両者を組み合わせたハイブリッドなど選択肢を増やすことが重要とし、「多様性をどんどん増やしていくことが一番の対策になる」とした。

森口常務執行役員は、食文化を「人と地域、まちをつなぐ交流のインフラ」と位置付けた。大阪城の歴史、森之宮の大学、新駅や再開発などを一つのストーリーとして結び、未来の食を学び、地域や学生と交流する体験につなげることで、大阪ヒガシを他のまちと差別化できるとした。教育旅行などへの展開にも期待を示した。

○ 不二製油×大阪公立大、プラントベースラーメン「一杯のミライ」試食

終了後には、不二製油と大阪公立大学の学生が共同開発した「プラントベースクリーミーエビ味噌ラーメン『一杯のミライ』」を試食提供した。不二製油が展開する植物性ダシ「MIRA-Dashi(ミラダシ)」を使用し、不二製油が主にスープのレシピ開発、学生がメニューのアイデアやトッピングを担当した。大豆ミートや厚揚げを使って食べ応えを持たせ、彩りにも工夫した。「一杯のミライ」は10月10日のオープンキャンパスのイベントで提供する予定だ。

「プラントベースクリー ミーエビ味噌ラーメン『一杯のミライ』
「プラントベースクリーミーエビ味噌ラーメン『一杯のミライ』

試食した大森社長は「完成度が高く、明日からでも店で出せるのではないか」と評価した。また、「ベジタリアンやヴィーガン向けに別メニューを用意するのではなく、宗教や食のスタイルが異なる人も同じメニューをみんなで食べられることに植物性食品の価値がある」との考えを示した。

〈大豆油糧日報2026年9月29日付〉

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