ネスレ日本、「大人の健康計画」始動 “健康疲れ”に着目、一杯の置き換えを提案
ネスレ日本は10月1日、健康長寿をテーマにした新シリーズ「大人の健康計画」を始動する。健康のために新しい行動を「足す」のではなく、日常的に飲んでいるコーヒーやミロなどの一杯を置き換えることで、無理なく続けられる健康習慣を提案する。「ネスカフェ プロテイン カフェラテ」「ネスカフェ GABA カフェインレス ラテ」「ネスレ おとなミロ 1日分の鉄分」の3品を発売する。
背景にあるのが、同社が「健康疲れ」と呼ぶ生活者の変化だ。20~60代の男女1000人を対象にした同社の調査では、「健康のために取り組みたいことを十分に実践できている」とした人は5.1%にとどまり、80.5%が自身の健康への取り組みを十分ではないと感じていた。
「健康のために頑張ろうとするほど負担に感じる」は56.1%、「健康について考えること自体に疲れる」は53.0%。「健康に良い商品や方法が多すぎて、選ぶのが大変」は67.7%に上り、40代では74.0%が「迷った末に結局何も選ばないことがある」と答えた。
ネスレ日本 飲料事業本部 ホワイトカップビジネス部長の都間友紀子氏は、「生活者のみなさんは健康への関心がないわけではない。むしろ関心があるからこそ、情報や選択肢の多さに戸惑い、行動に移せなくなっている」と話す。「今まで以上に頑張るのではなく、健康を無理なく続けられる形に変えることが必要」と話した。

発表会には、予防医学研究者の石川善樹氏も登壇した。石川氏は、「病気の人にとって健康は優先順位ナンバーワンかもしれないが、健康だと思っている人にとっては必ずしもそうではない」と指摘。「子育ても仕事もある。人生には大事なことがたくさんある。健康の優先順位が低いわけではないが、ナンバーワンでもない。そこで『健康が大事だ』と言われ続けると、疲れてしまう」と話した。
健康を後回しにすることにも罪悪感を持つ必要はないとする。「まず、そういう自分を素直に認めることが大事。今までやっていなかったことを突然始めるのではなく、今やっていることを少しずつ改善していくことが、続ける時のコツになる」とした。
習慣化については、「始める理由」「続ける理由」「やめられなくなる理由」は、それぞれ違うことが多いという。「始める理由はいろいろあるが、続けられるかどうかの最大のポイントは、楽しいかどうかに尽きる」とし、「日常生活のほんの少し先、その延長線上ぐらいから始める」ことが大事だとした。
質疑応答では、「結果として健康になっていただければありがたいのであって、入り口から健康である必要はない。いろいろな入り口があっていい」と話した。
例えば「1日1万歩歩きましょう」と言われるとハードルが高くても、「あと1000歩」、時間にすれば約10分として「音楽3曲分歩く」と言われれば受け止め方は変わる。「健康のための基準を大きく出すより、『あとちょっと』を自然に選べる環境を準備することが今の流れ」とした。
介護・老年学分野で活動するジャーナリストの島影真奈美氏は、老化のメカニズムは複雑で、「これだけやっておけばいい」という方法はないと説明。「健康に良いとされる生活を日々の中で少しずつ変えていく。その積み重ねが、明日、1年後、3年後の健康に関わってくる」とし、頑張りすぎずに続けることの大切さを指摘した。
ネスレ日本が今回打ち出したのも、こうした「置き換え」の発想だ。都間氏は、「ネスレには毎日自然に飲まれている製品が多くある。日常の飲料と健康ニーズを結びつけ、新しい健康習慣を足すのではなく、『いつもの一杯を置き換える』という発想にたどり着いた」と話す。「今の生活のまま、無理なく、おいしく」を基本に、「活動」「休息」「栄養」の3つから商品を設計した。
「ネスカフェ プロテイン カフェラテ」は、朝から夕方までの日中に飲むコーヒーやカフェラテからの置き換えを想定する。1本当たりたんぱく質4.0g、ビタミンB6を含み、コク深いコーヒーとまろやかなミルクの味わいに仕上げた。
「ネスカフェ GABA カフェインレス ラテ」は、夕方から夜の一杯として提案する。1本当たりGABA100mgを配合し、カフェインを97%カット。ビタミンB6、B12も含み、豊かな香りのコーヒーとクリーミーなミルクの、口当たりやさしい味わいに仕上げた。
「ネスレ おとなミロ 1日分の鉄分」は、朝食時などの飲用を想定する。ミロ1本と牛乳150mlで、1杯当たり鉄6.8mgを摂取できる。栄養機能食品(カルシウム・鉄・ビタミンD)で、「ミロ」の大麦由来のおいしさを生かし、大人向けに甘さを控えめに仕上げた。
3品はいずれも4本入り375円。全国のドラッグストアなどで展開する。

「ミロ」は近年、同社が想定していなかった切り口からSNSで話題になることもあるという。都間氏は、「ミロは子どもの頃に飲んでいた、子どものための飲み物という印象が強い。一方で、話題を作っていただいているのは大人の方たち」と話す。栄養素への関心だけでなく、「懐かしい味わいも、改めて手に取っていただけるきっかけになっているのではないか」とみる。
今回の3品は「大人の健康計画」の第一歩と位置付ける。今後は商品だけでなく、健康長寿につながる情報や、生活の中で実践しやすい選択肢も発信していく考えだ。
都間氏は、健康に関する情報は「正論」になりがちだとした上で、「もちろん正しい情報を発信していくことは大事だが、いかにそれを楽しく、日常に、おいしく取り入れていただけるかを大事にして、これからの製品展開を考えていきたい」と話した。







