外食業界「消費税10%据え置き」で客離れ懸念 日本フードサービス協会の調査、58%が客数減を予想
政府は10月9日、食料品の消費税率を2027年4月から2年間限定で、現行の8%から1%に引き下げることなどを盛り込んだ法案を閣議決定した。
同日、外食企業の業界団体である日本フードサービス協会、全国飲食業生活衛生同業組合連合会、大阪外食産業協会の3団体が都内で合同会見を開いた。
会見では、食料品やテイクアウト飲食の税率が1%に引き下げられる一方、店内飲食の税率が10%に据え置かれることで、外食の客離れや店舗運営への影響が生じることに懸念が示された。
〈外食企業の58%が客数減を予想〉
日本フードサービス協会は、会員企業410社を対象に実施したアンケートの結果を公表した。204社から回答があった。
食料品の税率引き下げ後に外食の客数が減少すると見込む企業は57.8%に上った。影響が分からないとした企業は28.9%だった。
客単価については、低下すると見込む企業が21.1%、影響はないとした企業が31.9%、分からないとした企業が36.8%となった。
協会は、客数の減少を避けるために企業が商品やメニューの本体価格を引き下げざるを得なくなる可能性も懸念している。
今回の税率差については、店内飲食の売上比率が高い業態や、客単価が1000円前後の業態ほど影響が大きくなるとの見方がある。特に、個人店や中小規模の企業への影響が大きくなることが予想されている。
また、制度開始までの準備期間が限られるなか、システム改修にかかる費用や作業負担を不安視する企業もあるという。
〈外食は「食のインフラ」と強調〉
協会側は、税率差が消費者心理に与える影響も重くみている。食料品の税率が1%になれば、外食の価格が実際に上がらなくても「外食は高い」という印象が広がり、利用を控える動きにつながる可能性があるためだ。
日本フードサービス協会の椋本充士会長は、外食は日常の食事を支える場から特別な機会に利用する場まで、幅広い役割を担っていると説明した。
高齢化や生活様式の変化が進むなか、家庭で食事を用意したり、片付けたりすることが難しい人にとっても、外食は重要な食のインフラだと訴えた。
2019年の軽減税率導入時には、外食全体でマイナス5.4%、消費者の外食利用機会が減少したことを説明した。今回は当時の2%差を上回る9%の税率差となることから、影響の大きさを懸念している。
これほど大きな税率差が生じるのは今回が初めてであり、協会としても具体的な影響を注視しているという。今後は制度開始後にデータを分析し、その結果を踏まえて政府への要望を続ける方針だ。







