KFC、バーガー売上をチキンと1対1に 43年ぶり刷新で第2の柱へ

日本ケンタッキー・フライド・チキン 名嶋篤史社長執行役員COO
日本ケンタッキー・フライド・チキン 名嶋篤史社長執行役員COO

日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は10月14日、定番バーガーのレシピ・製法を43年ぶりに刷新した「オリジナルチキンバーガーズ」を全国発売した。鶏むね肉から鶏もも肉に変更するなど、バーガーに合うチキンを一から追求した。名嶋篤史社長執行役員COOは10月13日の発表会と個別取材で、バーガーを看板商品の「オリジナルチキン」に続く第2の柱に育てる方針を表明。現状、売上構成はチキンとバーガーで約2対1だが、将来的には1対1を目指す考えを示した。

■バーガーを第2の柱に 日常の来店機会を拡大

KFCは2025年から「第二創業」と位置付ける成長戦略を推進している。柱は「メニューの拡大」「店舗体験の進化」「デジタル体験の強化」の3つ。名嶋社長は発表会で、KFCの強みは本物のおいしいチキンを提供できることだと説明。オリジナルチキンに加え、異なる形でチキンのおいしさを届けることで、新たな来店機会を創出したい考えを示した。

オリジナルチキンバーガー(てりやき)、オリジナルチキンバーガー(レッドホットソース)
オリジナルチキンバーガー(てりやき)、オリジナルチキンバーガー(レッドホットソース)

バーガーを強化する理由は大きく3つある。1つ目は市場規模の大きさだ。バーガーは日常的に利用されるカテゴリーであり、KFCが日常の食事で選ばれる機会を増やすうえで、大きな可能性があるとみる。2つ目は食シーンとの相性。ランチや一人での食事など、同社が強化したい利用シーンにバーガーが適している点だ。3つ目は、期間限定商品の販売実績。「竜田バーガー」や「月見バーガー」が想定を上回る売上となり、バーガーの需要に手応えを得たことも強化を後押しした。

3月に神奈川、広島、鹿児島の54店舗で実施した「オリジナルチキンバーガーズ」の先行販売でも、顧客から当初の想定を上回る評価を得た。若年層や一人客の利用、ランチ需要の拡大も見られたという。名嶋社長は「最終的にはオリジナルチキンに続く第2の柱としてバーガーを考えている」と語った。

今回の刷新は、1983年に登場した「チキンフィレバーガー」以来、43年ぶりの大改革となる。長年親しまれてきた一方、消費者アンケートではジューシーさが物足りないとの声もあった。名嶋社長は、第二創業に向けて商品を一から見直す中で、バーガーの主役であるチキンをどう変えるべきか検討したと説明する。

日本ケンタッキー・フライド・チキン 名嶋篤史社長執行役員COO
日本ケンタッキー・フライド・チキン 名嶋篤史社長執行役員COO

■鶏もも肉・衣・調理法を刷新 「バーガーに合うチキン」追求

開発で掲げたのは「バーガーに合うチキンの最適解」を追求すること。従来の鶏むね肉から、旨みが強く、ジューシーで食べ応えのある鶏もも一枚肉に変更した。肉の大きさは従来品に比べて増え、食べ応えも向上した。

食感も見直した。鶏肉に粉を付けた後、再び水と粉をまとわせる独自の製法を採用。衣に立体感を持たせ、ザクザクとした食感を実現した。さらに、圧力調理の細かな条件も見直し、外側のザクザク感と肉のジューシーさを両立させた。11種類のハーブ&スパイスは従来通り使用する。

オリジナルチキンバーガー、オリジナルチキンバーガー(チーズ)
オリジナルチキンバーガー、オリジナルチキンバーガー(チーズ)

本格的な開発に着手したのは2024年後半で、完成まで約1年半を要した。名嶋社長は、社内での試食や顧客テストを重ね、肉の部位から粉付け、店内調理の方法まで見直したと振り返る。

ラインアップは、シンプルにチキンの味わいを楽しめる「オリジナルチキンバーガー」(単品税込490円、以下同)をはじめ、レッドホットソース、チーズ、てりやきの定番4種類に、厚切りベーコンとオムレツを組み合わせた「プレミアバーガー」「プレミアチーズバーガー」を加えた全6種類。新しいチキンは「骨なしオリジナルチキン」(350円)としても販売する。なお、刷新に伴い、従来の「チキンフィレバーガー」(440円)は終売となる。

プレミアバーガー、プレミアチーズバーガー
プレミアバーガー、プレミアチーズバーガー

■店舗・デジタルも進化 2030年に1700店舗体制へ

第二創業のもう一つの柱である店舗体験の進化では、4月にオープンした次世代モデル店「相模原大野台店」で検証を進めている。同店はリニューアルを機に売上高を大きく伸ばしていくことを目指す店舗だが、検証の目的は売上だけではない。顧客の注文・商品受け取り・飲食の動線や空間設計に加え、デリバリー配達員との動線分離、従業員の作業動線やバックヤードの改善なども検証している。

相模原大野台店
相模原大野台店

名嶋社長は、同店で得た知見を今後の出店や既存店の改善に生かす方針を示した。特にデリバリー配達員との動線分離は、新店などへの反映を進めているという。今後は商圏の特性に応じて複数の店舗フォーマットを使い分け、出店を加速させる考えだ。

デジタル体験の強化では、アプリを中心に、一人ひとりに合った体験やサービスの提供を目指す。名嶋社長は、顧客にとって使いやすいアプリのあり方を検討していると説明。具体的な施策は、内容が固まり次第、公表する考えを示した。

KFCは2030年に1700店舗体制を目指している。名嶋社長は、メニュー、店舗、デジタルの3つの施策を着実に実行していると説明。バーガーの強化によって日常の利用シーンを広げるとともに、商圏に応じた店舗展開や、一人ひとりにパーソナライズされたデジタルサービスを通じて、持続的な成長につなげる。

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昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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