季節で考えるごはんPJ秋企画、石川佳純さんを迎えて試食会=JA全農

左から石川佳純さん、しらいのりこさん、全農米穀部の藤井部長
左から石川佳純さん、しらいのりこさん、全農米穀部の藤井部長

全国農業協同組合連合会(JA全農)は14日、都内で「季節で考える『ごはん』プロジェクト」のプレス向け試食会を開催した。7月に第1弾夏企画として「冷やしメシ」のレシピを公開し、試食会を開催した(本紙既報)ものに続く、同プロジェクトの第2弾秋企画。

JA全農米穀部の藤井暁部長、元卓球日本代表で全農オフィシャルアンバサダーを務める石川佳純さん、お米料理研究家のしらいのりこさんが登壇し、新米4銘柄とお米を使った料理4品を試食した。

藤井部長は冒頭、「新米の季節が来たことをきっかけに家庭でお米を楽しむ機会が増えることを願っている。このたび、生活者アンケートとして、日々の食事に何を求めるか、また何を迷っているのか教えていただいた。その結果から、家庭にある米を楽しむ方法や、(秋なので)スポーツに励む子どもにいつ何を食べさせたらいいか、などの身近な悩みに答える企画を用意した」と挨拶した。

「鶏むねひき肉のヘルシー親子丼」「とうもろこしとかつお節の旨みおにぎり」など
「鶏むねひき肉のヘルシー親子丼」「とうもろこしとかつお節の旨みおにぎり」など

続けて藤井部長から、「秋の食卓実態調査」の結果報告と、結果をもとにした4つのレシピ提案が行われた。調査の設問は大別すると新米とスポーツの2テーマに分けられる。新米については、「食べたい新米のメニューは」という設問に「白ごはんとお供」(42.6%)、「白ごはんそのまま」(42.3%)という回答が上位を占めたことから、新米をシンプルに楽しむレシピとして「ふわふわ卵ののっけごはん」の提案があった。また、「新米はどのタイミングで購入し、食べたいか」の設問に「今あるお米を食べ終えてから」という回答を含む選択肢が上位を占めた(2項目、計48.4%)ことから、手元の7年産米もおいしく楽しむ「ビリヤニ風炊き込みご飯」のレシピが紹介された。

スポーツについては、スポーツをする子どもの食事について悩みがある保護者は88.9%にのぼるとし、上位の回答には「栄養バランスが心配」(46.4%)、「適切な量が分からない」(38.7%)、「食べさせるタイミングが分からない」(25.8%)などが並んだ。こうした結果をもとに、運動前のエネルギー補給に適した“応援おにぎり”として「とうもろこしとかつお節の旨みおにぎり」、運動後の回復を意識した“回復メシ”として「鶏むねひき肉のヘルシー親子丼」の2レシピが提案された。

メニューはしらいさんが考案。“応援おにぎり”“回復メシ”についてはスポーツ栄養士のこばたてるみさんも監修した。しらいさんは「『ふわふわ卵ののっけごはん』は、みずみずしく爽やかな新米の味を引き立てるおかずはだし巻き卵だと考え、だし巻き卵をごはんの上に乗せるイメージで作った。『とうもろこしとかつお節の旨みおにぎり』は運動前に大事な糖質を摂れて、低脂質でもある。冷めてから食べる点も考慮して、旨みがしっかり感じられるようにした」とアピールした。

新米の試食では、新潟県産「新之助」、石川さんの出身地である山口県産「きぬむすめ」、埼玉県産「彩のきずな」、福島県産「こしひかり」の4銘柄を試食。石川さんは「食べ比べると、味の違いを感じる。『きぬむすめ』は初めて食べたが、食感があっさりしていて、少しさっぱりめの味だった。今後見つけたら買ってみたい」とコメントした。

トークセッションでは、石川さんが選手時代の食事事情について、「海外遠征が多かったので、お米やごはんをどうおいしく食べるかについてはすごく意識していた。海外に炊飯器と白米を持っていき、おにぎりを自分や家族で作って、エネルギーを補給して試合に臨むことがひとつのルーティンになっていた」と振り返った。

〈農業×卓球? 石川さんと米生産者との特別対談〉

JA全農プレス向け試食会は2部制で行われた。第2部では、石川佳純さんと全国農協青年組織協議会(JA全青協)会長で福島県の米生産者の星敬介さんとの特別対談が行われた。

星敬介氏と石川佳純さん
星敬介氏と石川佳純さん

星さんは福島県西会津町で水稲や大豆を生産している。司会から「いわゆる中山間地域にあたるが、なぜ効率の悪い場所で農業を続けているのか」と質問が出た。星さんは「ふるさとだから、それしか(理由は)ないかな」と答えた。「米作りは大きく儲かる仕事ではないが、この場所を守らないと、という気持ちで私も周囲もやっている。1年放置すると草が伸び、2年で木が生え、3年でそれが大きくなり、野山が広がってしまう」と使命感を口にした。「ただ、今まで団塊の世代の先輩方が何とか支えてきたが、80歳を超えていくと大量に辞めていく。そうなると下の世代は人がいないため支え切れない。この3~5年くらいが日本の農業のヤマだと思う」と切実な現状を語った。

これに対して、石川さんは「通学路は田んぼ一面の景色だった。当たり前の風景だったが、農家の方が大事に守ってきたもので、努力の上にできていることに改めて気づいた。消費者として、また全農オフィシャルアンバサダーとして、多くの人にお米の魅力や米作りの大変さを知ってもらって、米作りのバトンがつながるように頑張りたい」とエールを送った。

対談の後半では、子どもたちから動画で寄せられた質問に石川さんが回答するコーナーがあった。

「私はときどきピアノの練習が嫌になることがありますが、石川さんは卓球の練習が嫌になることはありましたか?」――そうですね、私は正直に言うと、卓球の練習は毎日嫌でしたが、そのときに自分に言い聞かせたのは、「結局自分がやらなければうまくならない」ということ。どうせやるなら集中してやらなければもったいない、自分のためだと思って練習しました。練習所に行けばもうやるしかないので、何も考えずに練習所に行きました。

こう答えた石川さんに、星さんがひと言「我々にとっての草刈りみたいなものなんですかね」。

続けて星さんから「米生産者は食べてくれた方に『おいしい』と言ってもらうことでその苦労が報われるが、石川さんはどこで苦労が報われたか」――やはり勝ったとき。勝った喜びと、周りの人が喜んでくれたことで報われた。

同席したJA全農の金森正幸常務は最後の挨拶で、「卓球と米作り、世界は違っても、それぞれに努力の積み重ねがあって、成果が出て、達成感を味わう。関係者もその努力をともに喜ぶ。こうした共通項があるとわかった。(米作りは現在苦境だが)そういう経験を多くの人とともに分かち合っていけたらいいですね」と締めくくった。

JA全農の金森正幸常務
JA全農の金森正幸常務

〈米麦日報2026年10月19日付〉

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