「北海道コーン茶」大幅伸長、2023年実績見込は家庭用で前年比2倍超、業務用で2019年比12倍に、原料収穫実演会で生産者と職人が商品化の背景語る/ポッカサッポロフード&ビバレッジ

ポッカサッポロフード&ビバレッジ「北海道コーン茶」
ポッカサッポロフード&ビバレッジ「北海道コーン茶」

ポッカサッポロフード&ビバレッジは10月13日、日本各地の希少素材を使い、その土地の人々と一緒に商品作りをする“TOCHIとCRAFT”シリーズの無糖茶「北海道コーン茶」(525mlPET)の原料を育てている柳原農場(北海道夕張郡長沼町)で、原料収穫実演会とパネルディスカッションを開催した。「北海道コーン茶」の原料である(実だけを収穫する)子実とうもろこしの収穫実演では、同社レモンアンバサダーで北海道にゆかりのある杉谷拳士さんがコンバインを運転する姿を披露した。

(左から)安田さん、柳原組合長、正木製造部長、杉谷さん
(左から)安田さん、柳原組合長、正木製造部長、杉谷さん

同社はコーン茶の家庭用商品を10年以上前から展開しているが、2021年に「北海道コーン茶」として新発売して以降に右肩上がりで伸長している。発売した2021年と比べて2022年は150%、今年は200%超になる見込み。さらに2019年に販売開始した「業務用 北海道コーン茶」(1L紙パック、旧品=業務用コーン茶)はコロナ禍でも伸長し、2019年比で2022年は650%、今年は1200%の着地見込みという(いずれも出荷数量ベース)。

好調要因について、ポッカサッポロフード&ビバレッジは、“北海道産”による安心感やおいしさ感、無糖・カフェインゼロによる美容イメージ、さらに今年は芸能人やVチューバ―のインフルエンサーがSNSに“コーン茶”のワードを多く投稿したことを挙げる。そして、韓国料理や焼き肉などの飲食店でコーン茶の飲用体験が増えたことも要因とする。なお、香りや味わいは、大通公園のテレビ塔の下で売っている焼きとうきびを目指して開発されたという。

今後の戦略について、マーケティング本部の安田剛史さんは次のように語る。「当社は、家庭用商品をスーパーマーケットの売り場以外に自販機でも展開しており、飲食店では業務用の展開も広げている。これら当社の強みのチャネルで幅広く展開することにより、おいしさの話題総量を増やしていく。まだ飲まれていない人に対しても“北海道コーン茶”を新たに体験できる機会を増やしていきたい」とした。

パネルディスカッションでは、「北海道コーン茶」をサポートする生産者と職人として、北海道子実コーン組合の柳原孝二代表理事組合長と、福玉米粒麦社の正木健司取締役製造部長が登壇した。

柳原組合長(左)、正木部長(右)
柳原組合長(左)、正木部長(右)

柳原組合長は、元々はお米を作っている農家だったが、米の消費量が減少し食の多様化が進んだことでお米以外も作るようになり、畑作へ徐々に転換したという。だが、麦と大豆だけを栽培すると特定の栄養分が畑からなくなる連作障害になってしまう。そこで子実コーンの取り組みを始めることで畑が良くなったとする。「子実コーンは元々輸入原料がメインだった。そのため、われわれは当初販売先や用途が分からなかったが、菓子業界や飲料でポッカサッポロさんからお声がけをいただくことができた。とうもろこしがそのまま使われる顔の見える商品なので、生産者としては非常に嬉しい使われ方だ」。

正木製造部長は、北海道産コーンをじっくりと丁寧に焙煎することで香ばしさを引き出したとし、次のように語る。「もともと当社は、大麦で麦茶を焙煎することがメインだった。コーンを上手に焼けるのかという不安もあったがチャレンジした。味・香りの向上に向け、ポッカサッポロさんといろいろ協議してようやく納得できる味に近づいた」。

「北海道コーン茶」が属しているポッカサッポロフード&ビバレッジの“TOCHIとCRAFT”シリーズは、国産の希少原料を起点とし、その原料の特徴を生かす方法について、同社が生産者と職人のパートナーと一緒に取り組みながら、アップデートしているシリーズだ。地域活性化という社会課題の解決も目指しており、新たな飲料の商品開発のあり方に取り組んでいる。

杉谷さんはジンギスカンとの食べ合わせを紹介
杉谷さんはジンギスカンとの食べ合わせを紹介
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発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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