ポッカサッポロ、猛暑に「冷たいスープ」提案 食欲低下やそうめんの食べ方アレンジに対応
猛暑で食欲が落ちやすい夏場に、温かいイメージが強いスープを“冷たい一品”として提案する。ポッカサッポロフード&ビバレッジは、「じっくりコトコト」ブランドで冷製缶スープを展開するとともに、粉末スープを使ったそうめんアレンジも打ち出す。火を使う調理を避けたい日や、そうめんの味に変化をつけたい場面に対応し、夏場の飲用・喫食機会を広げる。
近年は6~8月の平均気温が上昇傾向にあり、生活全般で猛暑・酷暑への対応が欠かせなくなっている。食の面でも、「暑くて食べたいものがない」「なるべく火を使いたくない」といった悩みが出やすい。そうめんなど冷たい麺類の出番が増える中、同社はこうした夏場の食卓に、冷たいスープを取り入れる余地があるとみる。

冷製スープへの関心も高まっている。同社によると、レシピサイト上では「冷製スープ」の検索頻度が前年を上回って推移しているという。暑い時期でも、食事に汁物を添えたいというニーズはある。一方で、温かいスープは飲みにくい、作りたくないという日もある。その受け皿として、冷製スープの訴求を強める。
【冷製缶は2012年発売、夏場需要を長年開拓】
ポッカサッポロは、冷製スープの提案に早くから取り組んできた。2005年には、粉末スープで「夏の裏ワザレシピ」として冷製スープを訴求。2012年には、現在の冷製缶スープにつながる「じっくりコトコト」冷製缶スープを発売した。夏場は家庭用スープの需要が落ちやすい季節だが、同社は粉末や缶などで冷製スープを提案し、市場の活性化を図ってきた。猛暑の長期化や冷製メニューへの関心の高まりを受け、長年続けてきた夏場の提案を改めて強化する。
冷製缶スープでは、「じっくりコトコト 冷製コーンポタージュ」と「じっくりコトコト 冷製じゃがいものスープ」の170g入り2品を展開する。冷蔵庫で冷やしておけば、食欲が落ちやすい朝や、軽く済ませたい昼食にも取り入れやすい。常温でも飲まれており、買い置きや備蓄用途にも対応する。スープならではの満足感があり、小腹満たしや間食としての利用も見込む。
「冷製コーンポタージュ」は、冷やしてもコーンの甘みを感じられる味わいに設計した。冷たい状態では甘みを感じにくくなるため、キンキンに冷やしても素材のおいしさが伝わるように工夫している。具材には、シャキシャキした食感のコーンを使用した。コーン粒の食感も楽しめる。
「冷製じゃがいものスープ」は、じゃがいもや玉ねぎの風味を生かした。2品とも、素材の濃厚な味わいを打ち出しながら、暑い時期でも飲みやすいように口当たりを調整している。同社マーケティング本部ブランドマネジメント部で缶スープを担当する長尾征秀氏は「濃厚さは感じられる一方で、粘度はややすっきりめに抑えた」と説明する。のどに張りつくような重さを避け、最後まで飲み切りやすい味わいを目指した。
パッケージでは、水色のキャップや青色のデザインで冷涼感を出し、冷製スープであることを分かりやすく伝えている。
賞味期間は19カ月。日常の買い置きやローリングストックにも対応する。「じっくりコトコト 冷製コーンポタージュ」は、一般社団法人防災安全協会が主催する「SDGs・災害食大賞 2026」のローリングストック部門で優秀賞を受賞した。
同社には、冷蔵庫で冷やした商品を朝に1本飲む人や、常温で購入・保管する人、災害時用の備蓄として購入する人の声も寄せられているという。長尾氏は、冷製缶スープについて「暑い時期に小腹を満たす商品としての利用が多い」と話す。
今後は、冷蔵で販売する機会を増やし、トライアルの拡大につなげる考えだ。冷製缶スープは常温でも販売されている。ただ、初めて購入する人には、冷えた状態で手に取ってもらう方が飲用につながりやすい。長尾氏は「店頭で冷えた状態の商品を手に取り、その場ですぐ試してもらう方が、トライアルにつながりやすい」とみる。流通側でも、夏場のスープカテゴリーを補完する商品として評価され、展開時期を早めたり、取り扱い期間を長めにしたりする動きがあるという。
【粉末スープでそうめんアレンジ提案】

粉末スープの小箱シリーズでは、「じっくりコトコト」ブランド発売30周年に合わせ、3月に「感動コーンポタージュ」「旨深クラムチャウダー風」「濃醇海老のビスク」「甘熟かぼちゃポタージュ」を発売した。「じっくりコトコト」は、粉末スープ市場でも存在感を持つ同社の主力ブランドの一つ。3月の小箱シリーズの全面リニューアルでは、各商品で素材感や濃厚な味わいを高めた。暑さが本格する季節に向け、高まる涼味ニーズへの新提案として、冷たいスープのアレンジも訴求していく。
「感動コーンポタージュ」には特製コーンパウダーを使用した。「濃醇海老のビスク」には、海老のうまみやコクを引き出す特製アメリケーヌソースパウダーを使っている。同部で「じっくりコトコト」ブランドを担当する佐々木恭子氏は、素材の味わいやうまみを高めたことで、他の食材と合わせても味が負けにくく、アレンジにも活用しやすくなったと説明する。
夏向けのアレンジでは、「濃醇海老のビスク」をトマトジュースで溶き、そうめんに合わせる「冷製海老トマトそうめん」を提案する。「感動コーンポタージュ」を牛乳で溶き、とうもろこしを加えてそうめんにかける「たっぷりコーンのクリーミーそうめん」も紹介している。
佐々木氏は、そうめんアレンジについて「お湯を使うことが、夏場の心理的なハードルになる」と説明する。流水麺や電子レンジを活用することで、火を使う負担を抑えられる。スープとして飲むだけでなく、主食メニューとして食べられる点も打ち出す。

ポッカサッポロは、粉末スープのアレンジレシピを6月中旬からSNSで発信している。あわせて店頭でも夏場の売り場づくりを強化する。冷製缶スープと粉末スープの両面から、猛暑下の食生活に対応し、夏場のスープ需要を取り込む。







