物価高で広がる“おうち充実”需要 「じっくりコトコト」、手軽でも“雑にしない”食事へ

マーケティング本部の佐々木氏(右)と研究開発本部の浦部氏
マーケティング本部の佐々木氏(右)と研究開発本部の浦部氏

ポッカサッポロフード&ビバレッジは、スープブランド「じっくりコトコト」の発売30周年を機に、付加価値型商品の展開を強化する。物価高で節約志向が強まる一方、家での食事を楽しみたいという需要も高まっているとみて、濃厚な味わいや食べ応え、好みの量や濃さで楽しめる商品をそろえる。秋冬には新シリーズ「至福シリーズ」を含む新商品5品を投入する。

8月18日に開いた発表会で、同社マーケティング本部の佐々木恭子氏は、「節約をしながらも良質なものを楽しみたいという意識が高まっている」と説明した。クオリティーやご褒美感、タイムパフォーマンス、アレンジなどを重視する傾向がみられるとし、手軽さに加えて食事の満足感を高める商品を提案する。

数年前に比べ外食の機会が減り、内食の機会が増えたと感じる人は59.6%に(パナソニック調べ)。
数年前に比べ外食の機会が減り、内食の機会が増えたと感じる人は59.6%に(パナソニック調べ)。

数年前に比べて外食の機会が減り、内食(調理・自炊)の機会が増えたと感じる人は59.6%、物価高の中でも家での食事をできる限り楽しみたいとする人は67.9%だった(パナソニック調べ、2026年5月、週3回以上自炊する20~50代の男女800人)。同社によると、冷凍パスタやカップ麺などでも、具材を充実させるなど家での食事を楽しめる商品が支持されているという。同社も数年前から、味わいや食べ応えなど、商品の満足感を高める提案に力を入れている。

「じっくりコトコト」は1996年8月20日に発売した。当時はスープを家庭で手作りすることが一般的だった中、「手間ひまかけた手作りスープのようなおいしさ」を手軽に楽しめる商品を目指して開発した。発売から30年間で累計300種類以上の商品を展開してきた。

30周年を迎えるにあたり、佐々木氏は「サクッと飲む即席スープというイメージから脱却したい」と説明。単に空腹を満たすだけでなく、食事や生活のクオリティーを高める存在を目指す。「今の時代にインスタントスープがお客様の生活で役に立てることは何だろうと、今一度考え直した」と話した。

〈量も濃さも自分好み、新「至福シリーズ」〉

「じっくりコトコト 至福のコーンポタージュ5杯分」(右)と 「同 至福のクラムポタージュ5杯分」
「じっくりコトコト 至福のコーンポタージュ5杯分」(右)と 「同 至福のクラムポタージュ5杯分」

新たに立ち上げる「至福シリーズ」では、「至福のコーンポタージュ5杯分」「至福のクラムポタージュ5杯分」を8月31日に発売する。1食ずつ小分けにせず、飲みたい量や好みの濃さに合わせて粉末の量を調整できる「カスタマイズスープ」として提案する。

同社がインスタントスープ利用者97人を対象に2026年5月に実施したWEBアンケートでは、従来の1袋分の量について「少ない」「多すぎる」と感じる人が合わせて半数を超えた。佐々木氏は「味わいを損なわずにカスタマイズできる価値を提供する」と説明。スープとして飲むだけでなく、パスタなど料理への活用も提案し、「少し飛躍すれば、調味料のカテゴリーにも入り込めるような存在になれるのではないか」と話した。

「じっくりコトコト」箱入りシリーズ。上段は8月24日発売の「濃彩ブロッコリーと3種のチーズ」(左)と「蜜甘さつまいもポタージュ」
「じっくりコトコト」箱入りシリーズ。上段は8月24日発売の「濃彩ブロッコリーと3種のチーズ」(左)と「蜜甘さつまいもポタージュ」

このほか、春に刷新した箱入りシリーズには「濃彩ブロッコリーと3種のチーズ」「蜜甘さつまいもポタージュ」を8月24日から追加する。前者は米国で親しまれているブロッコリーチェダースープを参考に、国産ブロッコリーのつぼみだけでなく茎や葉まで使ったパウダーと3種類のチーズを組み合わせた。後者はさつまいも100%のパウダーを使い、蜜のような甘さや繊維感のある舌触りを表現した。

「じっくりコトコト BISTRO仕立て チキンクリームスープ」
「じっくりコトコト BISTRO仕立て チキンクリームスープ」

カップ入りの「BISTRO仕立て」シリーズには、「チキンクリームスープ」を9月7日から加える。自宅で作るには手間のかかる本格的な一品料理を手軽に楽しみたい需要に対応する商品で、鶏肉のうまみを生かした濃厚なスープに7種類のハーブを使い、サクサクした食感のパイ具材を加えた。

〈「じっくり製法」で中身の価値も訴求〉

「じっくりコトコト」カップ入り商品など
「じっくりコトコト」カップ入り商品など

商品づくりでは、従来から続けてきた考え方を「じっくり製法」として改めて打ち出す。「歴史と向き合う」「シェフの技を学ぶ」「おいしさを引き出す」の3点を掲げる。

同社研究開発本部の浦部一華氏は、「素材本来のおいしさや、そのうまみが溶け込んだスープで、お客様にとろけるような時間を提供したい」と説明。特製チキンブイヨンでは、鶏ガラを煮出した後、鶏肉や野菜とともに時間をかけて煮込み、雑味を抑えながら素材本来の風味を引き出すことにこだわったという。

秋冬のプロモーションでは、「忙しくても自分の生活の質をつくりたい」「雑な選択はしたくない」と考える生活者を主なターゲットに据える。「じっくり製法」を軸に、「このとろみは、じっくりだけ。」を訴求し、11月からテレビCMとWEB広告を展開する予定だ。

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食品産業新聞

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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