千代田中高、捨てられるコーヒー粉に新たな価値 キーコーヒーと連携、文化祭で試作品を販売

試作品「Chiyoda Grounds」を手にする千代田中高の生徒たち
試作品「Chiyoda Grounds」を手にする千代田中高の生徒たち

千代田中学校・高等学校(東京都千代田区)の自然科学部の生徒たちは、コーヒーを取り巻く課題の解決と地域貢献を目指し、抽出後のコーヒー粉(コーヒーグラウンズ)の新たな価値を探っている。キーコーヒーによる出張セミナーなどを通じてコーヒーへの理解を深めながら、同社から提供されたコーヒーグラウンズ10kgを活用。活動の一環で作製した試作品「Chiyoda Grounds(チヨダグラウンズ)」を10月17、18日の文化祭で数量限定で試験販売した。

活動は2024年5月に始まった。生徒たちが千代田区内を散策する中でカフェの多さに気付き、コーヒーに関する課題を調べたことがきっかけだ。気候変動などの影響でコーヒーの生産適地が減少する可能性が指摘される「コーヒーの2050年問題」や、コーヒーグラウンズが廃棄されている現状を知り、再利用の方法を考えた。コーヒーグラウンズの活用を通じて、地域にも貢献できないかと考えたことも、活動を進める原動力となった。

当初は消臭剤などへの活用も検討したが、雑草の生育への影響に着目。学校の花壇のうち、花木を植えていない区画で、コーヒーグラウンズが雑草の発生に与える影響を調べるほか、実験室ではレタスなどの種子を用い、抽出液が発芽や根の伸長に与える影響を調べている。

抽出後のコーヒー粉を活用した試作品「Chiyoda Grounds」
抽出後のコーヒー粉を活用した試作品「Chiyoda Grounds」

こうした実験を基に、植物由来の素材を使って形を整え、試作品に仕上げた。商品名は、学校や所在地の「千代田」と、コーヒーグラウンズの「グラウンズ」を組み合わせたもの。文化祭では、1袋50個入り(税込500円)を約50袋用意し販売した。

試作品の販売にあたっては、農薬に関する法令上の取り扱いについて農林水産省に問い合わせ、確認を行った。髙橋風香さん(高校3年)は、活動を通じて、コーヒー生産者が抱える課題や、気候変動による『コーヒーの2050年問題』について理解を深めることができたと話す。

キーコーヒーと同校のつながりは、家庭科の授業で「代ゼミのコーヒー講座」を活用したことがきっかけだった。同講座は代々木ゼミナールとキーコーヒーが共同制作した動画講座で、コーヒーの植物としての特徴や歴史、価格、持続可能性、おいしいいれ方などをオンラインで幅広く学べる。

キーコーヒーの担当者によると、動画講座の活用を機に学校との接点が生まれ、出張セミナーなどの連携につながった。2026年2月には高校2年生109人を対象に、コーヒーの栽培や加工、品種、産地による味わいの違いなどを伝えるセミナーを開催した。同社から提供されたコーヒーグラウンズも、生徒たちの活動に活用されている。

名取教諭は、コーヒーグラウンズの持つ相反する性質に注目する。植物の生育を抑える一方、発酵させれば肥料として利用できる可能性もある。こうした異なる性質は研究対象として非常に興味深く、成果の論文化を目指す。販売で得た利益は、将来的にコーヒー生産を支える農業研究や教育への還元につなげたい考えだ。

文化祭で来場者に試作品を説明する千代田中高の生徒たち
文化祭で来場者に試作品を説明する千代田中高の生徒たち

文化祭では、生徒たちが来場した保護者らに試作品について説明する姿も見られた。活動の成果を自ら伝え、コーヒーグラウンズの再利用について知ってもらう機会にもなっている。

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昭和26年(1951年)3月1日
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