ニチレイ「本格炒め炒飯」25周年の進化、さらなる高みを目指し改良重ねる【進化するロングセラー】

ニチレイフーズの冷凍米飯における主力商品「本格炒め炒飯」
ニチレイフーズの冷凍米飯における主力商品「本格炒め炒飯」

ニチレイフーズの冷凍米飯における主力商品「本格炒め炒飯」が今年、発売25周年を迎えた。2001年の発売以来、冷凍調理炒飯市場データ(インテージ、2001年3月~2026年5月)において25年連続で売上トップを走り続け、2025年には冷凍食品全体における購買金額でもトップを達成した。累計販売数は1パック2食換算で15億食を突破している、日本の冷凍食品を代表する商品だ。そして四半世紀にわたりトップブランドとして支持され続ける裏には、弛まぬ技術革新とマーケティング戦略があった。「本格炒め炒飯」のこれまでの歩み、支持を支える製造技術を紹介する。

「本格炒め炒飯」が市場に投入された2001年以前、冷凍炒飯といえば炒めていない中華風の混ぜご飯のようなものが主流だった。そうした中、プロが中華鍋でしっかり炒めたような本格的な品質と、電子レンジで温めるだけという簡便性の両立を実現し、新たな価値を届けたことが最初のターニングポイントとなった。発売当時のパッケージにも「レンジでパラッと香ばしい!」と記されており、この価値観は現在も受け継がれている。

発売当時のパッケージ
発売当時のパッケージ

同品が歩んだ道のりは「不変」ではなく「絶え間ない進化」の歴史だ。同社ライン&マーケティング戦略部 商品第一部 米飯戦略グループマネジャーの原山高輝氏によれば、消費者の嗜好やトレンドの変化に合わせ、ほぼ毎年のように細かな見直しを図ってきたという。一般的にロングセラー商品は「味を変えると売れなくなる」というリスクが伴うが、同社では、時代に合わせたブラッシュアップが不可欠だと判断し、改良を積み重ねてきたそうだ。

進化の過程で大きな飛躍を遂げたのが2015年だ。約30億円規模の設備投資を行い、画期的な「三段階炒め製法」を導入した。この時期は、冷凍米飯および冷凍炒飯が売れる有望な市場として確立され始めたころでもあり、競合他社も相次いで新商品を投入した。同社では、他社との激しい競争の中で切磋琢磨しながら冷凍炒飯市場全体を底上げし、自社商品の技術力にもさらなる磨きをかけていった。

そしてその後も、焼豚のサイズアップや、焦がしネギ油で香ばしさを高めるなど、より良い品質を目指して改良を重ねてきた。

市場拡大に伴い、購買層や利用シーンも発売当初から様変わりしている。かつてはスーパーマーケットを訪れる主婦層が主な購買層であったが、現在では老若男女、さらには単身の男性層も含めて幅広い層に広がっている。利用シーンも、昼食や夕食としての即食需要にとどまらず、同社推奨ではないものの弁当に持参されるなど多様化が進み、消費者の日常生活に深く根付いている。

ニチレイフーズ ライン&マーケティング戦略部 商品第一部 米飯戦略グループマネジャーの原山高輝氏
ニチレイフーズ ライン&マーケティング戦略部 商品第一部 米飯戦略グループマネジャーの原山高輝氏

〈「本格炒め炒飯」の技術、プロの「炒め」を生産ラインに落とし込み〉

「本格炒め炒飯」が売れ続けている理由は、製造技術と原材料への徹底したこだわりに裏打ちされている。最大の特徴は、中華料理のプロが行う「炒め」の技術を、工場での生産ラインへうまく落とし込んでいる点だ。

2015年に導入した「三段階炒め製法」では、プロが鍋を煽る工程を再現した250度以上の熱風を吹きつける技術などを機械設備に組み込み、米をしっかり炒めながら、さらにパラパラとした食感と香ばしさを生み出した。単純に米をパラパラにするだけならば多様な手法が存在するが、プロが作る炒飯の「炒め感」を追求し、同技術に辿り着いた。冷凍食品だからこそ、調理直後の炒めた香りまでも閉じ込めて消費者に届けることができるのだという。

さらに、ご飯、卵、焼豚、ネギという4つのシンプルな構成要素すべてを追求。米には米穀検査判定整粒率70%以上という厳しい基準をクリアした「北海道産一等米」を使用し、粒が揃った米を厳選している。割れた米が混ざると、そこからでんぷん質が溶け出して粘りが出て炒飯に適さなくなるためだ。

卵については今年春、気泡を含ませた新製法でふんわりと大きく仕上げ、10%増量するリニューアルを実施し、満足感を高めた。

味の根幹をなす焼豚は、以前は外部調達やグループ工場での製造に頼っていたが、現在では炒飯を製造する自社工場での内製化へと切り替え、炒飯工場自身で最適な焼豚を製造しており、その工程で出る焼豚の煮汁も炒飯の味付けに直接活用できるようになった。これにより、旨味が米に行き渡り、商品全体の一体感と奥深い味わいを生み出している。昨年春のリニューアルでは、高温短時間加熱によるジューシーな旨味、サイズ10%アップなど進化した新ゴロゴロ焼豚を導入している。

ネギは製造工程の最後に追加し、喫食時にレンジで熱を入れることで、食感や香りを残す工夫が施されている。これも後入れが可能な急速凍結技術ならではの利点だ。

原山氏によれば、調査では現状でも消費者から90点台という高い評価を獲得しているが、「100点」を目指し、現状とのギャップを埋めるための改良を現在も続けているところだという。

拡大する冷凍食品市場の中で、確かな位置を築いてきた「本格炒め炒飯」。次の四半世紀に向けて、さらなる進化と驚き、そしておいしさの提供に期待したい。

〈25周年を彩るプロモーションを実施〉

2026年、同社では25周年の感謝を込め、各種プロモーションを展開している。今年4月からは、俳優の今田美桜さんを起用した新テレビCMの放映を全国で開始した。商品が長年売上トップであることを印象付けるため、長いセリフをひと息で話し切る演出がなされた。

4月13日には、25周年の歴史と進化を体感できる特別仕様として、東京メトロ銀座線および丸ノ内線の車両を同時にジャックする大規模な交通広告を実施した。

東京メトロ丸ノ内線の車内イメージ
東京メトロ丸ノ内線の車内イメージ

そして同日より公開された25周年記念のWebCMには「愛ゆえに、未完成。」というキャッチコピーが付けられている。この言葉には、高い完成度を誇りながらも、現状に満足することなく、常に100点のおいしさを目指して進化を止めない姿勢を込めた。ほか、「本格炒め炒飯」の購入レシートをLINEで登録して応募するプレゼントキャンペーンなど実施した。

また、特設サイト上では、発売当初の2001年から2026年現在に至るまでのパッケージの変遷や、歴史を振り返る各種コンテンツが公開されており、四半世紀にわたって日本の食卓を支え続けてきたトップブランドの歩みを伝えている。

〈冷食日報2026年9月17日付〉

媒体情報

冷食日報

冷凍食品に関するあらゆる情報を網羅した日刊の専門紙

冷食日報

近年の冷凍食品をめぐる情勢は、共働き世帯の増加や家族構成の変化、また飲食店や量販店の惣菜売場の多様化によって需要が増加しています。一方で、家庭用冷凍食品の大幅値引セールの常態化はもとより、原料の安定的調達や商品の安全管理、環境問題への対応など課題は少なくありません。冷食日報ではこうした業界をめぐるメーカー、卸、そして量販店、外食・中食といった冷凍食品ユーザーの毎日の動きを分かりやすくお伝えします。

創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
体裁:
A4判 7~11ページ
主な読者:
冷凍食品メーカー、量販店、卸、外食・中食、輸入商社、物流会社、業界団体など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送 *希望によりFAX配信も行います(実費加算)
購読料:
3ヵ月=本体価格21,384円(税込)6ヵ月=本体価格42,293円(税込)1年=本体価格83,160円(税込)