Umios 安田大助社長、グループ総力で新成長ステージへ/成長投資を加速し、北米・ペットフード事業を強化
マルハニチロから Umiosへ――。社名変更と本社移転を経て、新たな成長ステージに入った同社の新社長に4月1日就任した。安田大助社長は、最高執行責任者(COO)としてグループの経営戦略、事業ポートフォリオ管理、投資判断などの業務執行を担う。このほど行ったインタビューで、「146年の長い歴史を持つ企業のトップとして重圧はあるが、新生Umios として、グループ一体となって前へと進んでいきたい」と意気込んだ。
旧大洋漁業に入社後、長らく水産畑を歩んできた。エビを中心とする水産物の営業に約25年従事した後、北米や一般冷凍魚、加工食品事業を担当。執行役員として業務用食品のユニット長を務め、2025年にはマーケティング部門長および海外戦略部門長として両部門の設立に尽力した。
前中計(22~24年度)では、目標値としていた売上高1兆円、営業利益300億円を達成した。現中計(25~27年度)では、営業利益を400億円に設定。さらなる高みを目指すため、10年後に向けた新長期ビジョンも策定した。
「持続可能なタンパク質の提供」と「健康価値の創造」を在りたい姿として掲げ、「消費者起点のバリューサイクル」と「グローカル戦略」の両輪を推進していく方針だ。
また現中計では1,400億円を投じ、成長投資も加速する。内訳は、北米を中心とした川下強化に56%、ペットフード事業強化に18%。アラスカで約31万トンの資源アクセス権を持つ北米は川上から川下まで付加価値を高めるため、加工・販売機能を強化する。ペットフードはマレーシアの有力企業を買収し、アジアを中心に市場開拓を進めていく。
今後の成長領域には海外を位置付ける。「世界各エリアのローカルニーズをつかむグローカル戦略を進めていく。川上から川下まで一気通貫で利益確保につなげる」とし、同社のグループ化で売上が約20倍となり、営業利益も大幅に増えたオランダ企業の成功例を各エリアにも横展開していく。マーケットが縮小する国内については、生産ラインの見直しなどにも取り組み、筋肉質な経営に舵を切る。DHAやEPAなど水産原料由来の機能性成分を活用し、健康軸商品のラインアップ拡充も図る。
一方、人財戦略については、東京・高輪ゲートウェイに本社機能を移転させたことが、早くも功を奏している。出社率が向上し、共有スペースを広く設けたことで会話が増えている。自主性のある行動が評価される企業文化の醸成にも注力する。
今後の懸念事項に掲げるのは、水産物の安定供給だ。海水温の上昇などで天然資源が減少する中、養殖事業にも力を注ぐ。世界人口は10年後90億人に近づく予想で、水産物消費もさらに拡大する見込みだが、「国内は水産物の消費量が減少傾向で大きな危機感を感じている。魚食文化の拡大にも貢献していきたい」と強調した。
「モットーは現場主義。その思いは今も変わらない」とし、支社や生産拠点に出向き、現場の情熱を大切にしながら対話を重ねていく考えだ。社長就任後は、ウェブ社内報「umi web」内に「月刊ダイスケ」を開設した。日々の業務や伝えたいメッセージなどを配信しており、直接感想が届くなど、社員とのコミュニケーション活性化に向け、確かな手ごたえを感じている。趣味は野球で、ポジションはピッチャーの元高校球児。オフィシャルスポンサーを務める横浜DeNAベイスターズの試合では始球式を務めた。
やすだ・だいすけ 1961年生まれ。1985年大洋漁業(現 Umios)入社。2014年マルハニチロ水産第一部長、2020年執行役員、22年常務執行役員、25年専務執行役員、同年取締役、26年4月代表取締役社長執行役員就任(現任)。神奈川県出身。
〈冷食日報2026年9月29日付〉







