〈“真のジャパニーズコーヒー”目指し徳之島を“コーヒーアイランド”に〉
「徳之島コーヒー生産支援プロジェクト」に取り組む味の素AGF社と徳之島コーヒー生産者会、鹿児島県伊仙町、丸紅の4者は4月20日、鹿児島県伊仙町のAGF試験農園で「苗植え式」を行った。

昨年6月の4者による事業協定の調印後、11月からビニールハウスで育てた苗木の100本を農場に植え替えたもの。生産者とAGFの熱意と知見を結集し、日本一のコーヒー産地を目指す。
左から味の素AGF品田社長、生産者会・吉玉会長、伊仙町・大久保町長、丸紅・梶原飲料原料部長

左から味の素AGF品田社長、生産者会・吉玉会長、伊仙町・大久保町長、丸紅・梶原飲料原料部長

味の素AGF社の品田英明社長は、「当社は“JapaNeedsCoffee(ジャパニーズコーヒー)”というスローガンの下、日本人の味覚に合うコーヒーを作ることを目的に事業活動をしている。しかし、ほとんどのメーカーがそうであるように、海外のコーヒー豆で製造しているのが現状だ。日本で精魂込めて作られた豆を使った、日本人の味覚に合うコーヒーを目指す中で、徳之島に辿り着いた。コーヒー生産農家を支援し、国産コーヒー豆を使った商品開発を行い、真の“ジャパニーズコーヒー”の提供を目指す。徳之島がコーヒーアイランドになるのは、少なくとも5年から10年はかかるだろう。夢の実現に向け、情熱と執念を持って取り組みたい」と語った。

〈徳之島のコーヒー生産 5年後に1~2tを想定、将来は10tの目標〉
AGF試験農園の面積は10a(1000平方m)。収穫量は年間100kg~150kgを見込み、徳之島全体では5年後に1~2tを想定。将来的には10tを目指す。

徳之島でのコーヒー生産は、もともと現在の徳之島コーヒー生産者会会長である吉玉誠一氏が1982年にコーヒー栽培を始めたことがきっかけだ。その後、生産者組合が栽培に取り組んできたが、台風被害などの影響から生産量が少なく、年間数十kgから数百kgしか生産できない状況だった。だが、コーヒーを次世代につなげる事業として成長させるために尽力してきた。今回のプロジェクトは、「他にはない日本産のコーヒーをつくりたい」という吉玉会長の夢に、生産者、町、企業が集ったものである。

吉玉会長は、「2018年は徳之島コーヒーの元年だ。私たちは出発点に立った。課題もあるがひとつずつクリアして、おいしく安心して飲める徳之島コーヒーを作りたい」と語った。

吉玉会長の農園には赤いコーヒー果実が実る

吉玉会長の農園には赤いコーヒー果実が実る

〈農作業への参加を通じ“仕事の情熱”向上も〉
プロジェクトの具体的な活動では、台風対策とAGFの知見による生産上の支援を行っていく。

豆は、同地に合った種類を選定してブラジル、コロンビア、インドネシア産の5種で、アラビカ種で低木に育つタイプを選んでいることが特徴。コーヒー農園の生産性向上を目指す。年間2000本をビニールハウスで育苗し、試験農園及び生産者会メンバー(18年1月時点で16名)の農地で育てていく。

AGFは同プロジェクトを、社員教育の一環としても位置付けているという。品田社長は、「コーヒーの産地は海外のため、社員は生産者の方と触れ合う機会がなく、農家の方の苦労もわからなかった。取り組みを通じて実際に作業を手伝わせていただき、コーヒー生産に触れる機会になればと思う。作業に参加した社員からは、徳之島の体験が仕事の情熱につながったと聞いている」とした。

コーヒー栽培の北限を超えた気候の中で、業種を超えて集ったメンバーの情熱が大きく実を結ぶか注目だ。

〈食品産業新聞 2018年4月26日付より〉

【関連記事】
味の素AGF社・徳之島コーヒー生産支援プロジェクト コーヒー豆の栽培を開始
ハンディサーバーでどこでも手軽に"泡"のアイスコーヒーを/ネスレ日本
コーヒーの消費量 6年ぶりに減少も"拡大傾向"継続、「セブンカフェ」など家庭外需要が好調
「ジョージア」も500mlPETコーヒー参入 商戦活発化、各社「クラフトボス」を追う