大手コンビニ、ネット連動機能でさらに成長 民泊のチェックインや宅配など

ファミリーマート店舗
大手CVS(コンビニエンスストア)が民泊のチェックイン機能、最短2時間の宅配など新サービスを相次いで始め、さらに進化を続けている。

1970年代に誕生した日本のCVSは、ミニスーパー的な物販からスタートしたが、おにぎりやおでんなど独自商品の開発で中食や外食の機能を担い、銀行ATM、住民票交付などの行政サービス、チケット販売など様々な機能を追加して成長を続けてきた。国内店舗数は5万5000店を超え、より身近に店舗ができ、生活に欠かせないインフラになった。

ただ、人口が減少に転じた国内市場は縮小を続け、そこへネットがシェアを拡大してきている。一方、CVSの新サービスはいずれもネットと連動した機能で、ネット社会だからこそできるリアル店の強みだとも言える。

〈世界最大手の民泊仲介サイトAirbnbと提携/ファミリーマート〉
ファミリーマートは5月21日、民泊仲介サイト世界最大手のAirbnb(本社=米国)と業務提携した。6月15日から施行される「住宅宿泊事業法(民泊新法)」に対応するもの。住宅の空き室を貸す民泊ではフロント業務がない施設も多く、家主が不在でもチェックインできるよう、ファミマ店舗に家主が鍵を預ける「鍵ボックス」を設ける。東京や大阪などに今期中に約150店舗で設ける。

民泊利用者はチェックイン時に飲食物や生活用品も同時に購入でき、利便性が高まる。コールセンター業務はAirbnbが行い、店側は従業員の負担を増やさずに顧客を拡大できる。

ファミリーマート・澤田貴司社長(左)、Airbnb・田邉泰之代表取締役(右) 提携会見で

ファミリーマート・澤田貴司社長(左)、Airbnb・田邉泰之代表取締役(右) 提携会見で

Airbnbジャパンの田邉泰之代表取締役は、「目指すのは地域で暮らすような体験型の旅。地元と組んでコミュニティを作っていくような体験を提供したい。ファミリーマートは47都道府県に店があり、(各店は)地域に密着している。地域のことを教えていただきながら、我々も貢献していきたい」と話した。

セブン‐イレブン・ジャパンも旅行会社大手のJTBと組み、6月15日から順次、約50店に民泊チェックイン機を設けることをすでに公表している。

〈「ネットコンビニ」拡大、ATMでの現金受取りサービスも/セブン‐イレブン〉
セブンは昨年10月から店の在庫商品をスマホで注文すると最短2時間で配達する「ネットコンビニ」を北海道の札幌・小樽エリア25店で実験展開している。今期中に北海道全域約1000店に拡大し、「できるだけ早く全国に拡げ、国民の大半をカバーする」(古屋一樹セブン‐イレブン・ジャパン社長)という。

セブン‐イレブン店舗

セブン‐イレブン店舗

同社は2000年から注文翌日に日替わり弁当などを配達する「セブンミール」を開始。同サービスは現在、扱い品目を酒類や生鮮食品、消耗雑貨など店に品揃えできないものにも拡大している。その一方で今店にあるものを届けてほしいという顧客の声もあり、「セブンミール」とは別の「ネットコンビニ」を始めた。

同社は毎年1000店以上の出店ペースを継続し、顧客に店が近づいていく「近くて便利」というスタンスでサービスを拡充してきた。他方、同社は2万店を超えた店舗網を最大の強みと捉え、店を在庫拠点にすることで最短2時間での配送を可能にし、究極の「ラストワンマイル」でアマゾンなどに対抗していく。

近年は配達ドライバーの不足も懸念されるが、「自宅近所の店で配達範囲も狭く、扱い商品もコンビニで扱う重くないもの。拘束時間も短く、近隣の主婦がすぐに集まる」(新居義典セブン‐イレブン・ジャパンオペレーション本部デジタル戦略部統括マネジャー)という。

配送は業務提携する西濃運輸が担当する。「人口密度が低く、冬の気候も厳しい北海道で成功すれば、すぐに全国に拡大できる」(新居マネジャー)。

セブンは4月からセブン銀行ATMでの現金受取りサービスも始めた。「メルカリ」など増加するネットでの個人売買で、振り込み口座を設けなくてもお金のやり取りができるサービス。拡大を続けるネット市場を活用してリアル店舗への新たな来店動機に結び付け、さらなる成長を狙う。

〈食品産業新聞 2018年5月24日付より〉

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