一人焼肉、一人ラーメン(区分けカウンター席)など“お一人様需要”が広がる中、コンビニのアイスにも“お一人様需要”が生まれている。

コンビニのオリジナル商品、ロングセラーブランドの高質版の150円~200円の高価格商品が、この2年続けて約25億円ずつ増え、価格帯別販売高で最も伸長。1人時間・ひとり癒しを楽しむスイーツとして購入されている傾向がある。メーカーも「ひとりじめ時間」をパッケージにうたった商品をコンビニ先行販売するなど、“お一人様需要”を後押ししている。

〈男性が支えるコンビニアイス市場 要因に「手頃な価格」「買いやすさ」〉
コンビニアイスは、“大人需要”を取り込み近年のアイス市場の成長の一端を担っている(売上構成比はアイス市場全体の約3分の1)。アイスは高価格帯といっても200円前後の手頃さもあって、シュークリームやケーキなど洋生菓子との価格差も縮まり、男性にとっては気恥ずかしさなく購入しやすいのも特徴。家でもお酒を飲まない若者の増加を背景に、数年前には「スイーツ男子」という言葉が流行り、大人男性も一人でじっくりスイーツ時間を楽しむ需要が表面化した。

「当時、ファミレスくらいでしか食べられなかったパフェを、自宅で食べられるようにしたのが当社パフェ。男性の需要を取り込み、現在もコンビニで安定して動いている」(赤城乳業)。

市場のチャネル別販売構成比は、スーパー(ドラッグストア含む)が約50%、コンビニが28%だが、男性がアイスを購入する場所は、スーパーよりもコンビニの方が多いというデータもある。日本アイスクリーム協会・アイスクリーム白書2017によると、男性のコンビニ購入率は女性より10ポイント以上高く、コンビニアイスは男性のスイーツ需要に支えられているとみられる。

〈既婚者にも広がる“お一人様”〉
17年度のコンビニアイスは、大手コンビニの限定商品は好調、その他の高価格オリジナル品は、消費者の選択眼も鋭くなって、価格に見合う満足感が得られない商品は苦戦した。その分、コンビニでヒットする商品はSNSで話題が拡散しやすく、昨秋の「たべる牧場ミルク」(ファミリーマート、サークルK、サンクス限定)は、果物や菓子で飾って楽しむインスタ映えでヒットし、女性層も取り込んだ。

かつては単身者向けだった“お一人様需要”が、現在は既婚者でも時には誰にも干渉されず自分時間を楽しみたい時の「お一人様」「ひとり癒し」へ意味合いを広げている。それゆえに、これまで以上に商品に求められるのは「満足感」。冬アイスブームに便乗したような価格と中味がアンバランスな高価格商品は、消費者がついてこないこと、ボーダーラインは200円位であることを17年度は各メーカーが痛感しており、18年度は各コンビニチェーンと議論を詰め、確かなおいしさのオリジナル品の開発が進むことに期待がかかる。その中で“お一人様需要”が開発キーワードになり、「冬アイス」に次ぐ新しいアプローチとなるか注目だ。

〈食品産業新聞 2018年4月16日付より〉

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