外食12月期決算、12社中6社が増収増益 マック復活、ペッパーフードが好決算

外食企業の2017年12月期決算が出そろった。12社中、増収企業は10社、営業増益企業は6社で、日本マクドナルドホールディングス(以下、HD)の完全復活やペッパーフードサービスの好決算を筆頭に半数の企業が売上高、営業利益ともに前期を上回った。一方、原材料価格の高止まりと人手不足を起因とする労働単価の上昇が各社利益を押し下げており、一部の料飲店、ファミリーレストラン(FR)では、10月の台風など天候不順の影響が客数の減少につながった。

〈労働単価上昇が各社利益下げる〉
売上高上位3社の決算は概ね好業績で着地した。トップのすかいらーくは営業利益が前期比10.1%減となったものの同利益率は7.5%と高水準を維持した。また、日本マクドナルドHDは売上高、営業利益ともに前期より大幅に拡大、続くロイヤルHDも主力の外食事業は苦戦もインバウンド需要を掴んだコントラクト事業、ホテル事業がけん引し、増収増益を達成した。

既存店売上高が前期並みにとどまったすかいらーくは、増収減益の着地となった。週末に2度の台風に見舞われた第4四半期が特に苦戦し、店舗オペレーションを改善するために、同期に300種にも及ぶ割引クーポンの発行枚数を10分の1以下に削減したことも響いた。18年はこの知見を活かしてより最適なクーポン施策を実行する予定で、採用難や定着率の向上に向け、新システムを導入するなど、人件費単価上昇の抑制にも注力する。

続く日本マクドナルドHDは、純利益が前期の4.5倍の240億円と大幅に増加。新商品の投入やキャンペーンを相次ぎ実施したことが奏功し、既存店売上高も12.2%増と大幅増となり、収益は大きく拡大した。一方、18年については、10年ぶりとなる純増での新規出店を計画。純増100店舗の増加で2020年には約3000店舗体制を確立する。

ロイヤルHDは、6期連続の増収営業増益を達成した。主力の外食事業は、FRの「ロイヤルホスト」が好調も天丼の「てんや」が苦戦し、同事業は減収増益となった。「ロイヤルホスト」については、24時間営業を見直し営業時間の短縮を進めたが、ランチやディナーの時間帯に配置する従業員を増やし接客を強化したことで、既存店売上高は2.0%増となった。

73店舗を新規出店した「いきなりステーキ」が成長ドライバーとなり、ペッパーフードサービスの売上高は6割増、営業利益は2.4倍と大きく拡大した。都心部から郊外のショッピングセンターへと店舗網を拡大してきた同業態は、新たに注力したロードサイド店も好調。

18年は一気に200店舗の新規出店を計画し、海外でも9店舗のオープンを予定するなど、出店攻勢を強めていく。一方、料飲店を中心に展開するダイナック、グローバルダイニングについては、天候不順が収益に影響した。米価など食材価格は高騰もとんかつの「かつや」、唐揚げの「からやま」とも好調なアークランドサービスHDは、収益とも2ケタ伸長。

38店舗を新規出店した串カツ田中は、既存店売上高も2.7%増と前期に続き好決算を維持した。

〈食品産業新聞 2018年3月1日付より〉

【関連記事】
マクドナルド売上 前年比12.2%増 復活の鍵は商品力と情報発信 「グラン」発売5日で300万食
ユニーク商品連発、モスの戦略 「名古屋エビフライバーガー」は“過去最速”の販売実績
ケンタッキーフライドチキン 17年クリスマス売上は過去最高、18年は「カーネルBOX」強化
ドムドムハンバーガー、「2027年に100店舗」のビジョン 現状の3倍
ファーストキッチン・ウェンディーズ急拡大、今年中50店 2020年に100店目標
日本サブウェイ、ブランド改革へ始動 5月メニュー改定でサラダ本格導入も