〈低温・冷食流通インタビュー〉ケイ低温フーズ・岡﨑忠勝社長 日配好調でプラス推移 地域卸としての特徴出す

――今期(18年9月期)の進捗について

第一四半期(17年10月~12月)の売上げは3.4%増で推移している。日配が、昨年から取り組んでいる利益率の高い商品の拡売で顕著に伸びている。また、気温の影響により和日配が伸びるのだが、これで底上げできている部分もある。冷食も順調で、特にからあげやハンバーグなどの主菜が好調だ。高齢化や共働き世帯、単身世帯の増加など社会環境の変化で簡便な商材の伸びがやはり良い。利益面でも、計画通りに推移している。

商品カテゴリー別構成比は、惣菜を含む冷凍で40%、日配37%、生鮮10%、デリカ10%、加工食品その他3%となっている。日配は好調だが、惣菜などは競争相手が増えている。バリエーションをより増やし、売れる商品をしっかりと売っていく対策をとりたい。

また、水産品は最近の不漁の影響が出てきている。ただし、水産部門は他社にはない当社の強みでもあるので、鮮魚を中心に強化していき、特徴を出していきたい。

事業部別では、市販用MD事業部が8.9%増、業務用MD事業部が、内製化などの影響もあり1.6%増、京滋・東海・南近畿の支店統括事業部が7.4%減となっている。出先と本社との連携をより密にしていくことが課題となってくるだろう。営業力や商材、情報を本社と共有して挽回していきたい。

――昨年11月に社長に就任されました

就任して、営業機能の強化、業務の「見える化」推進、社員教育の推進の3点を重点課題として掲げている。まず、営業機能の強化については、新商品の提案力強化や各エリアの仕入先の拡売、ローカルメーカーの販売強化など、本来の卸としての役割を果たしたいと考えている。

社会や時代の変化に対応し、新しいことに積極的に挑戦する風土を社内で作っていく。自らが考え、課題を見つけて積極的に着手していくような環境が必要だ。

業務の「見える化」推進については、社員が個人として取り組んでいることをチームと共有することで、相乗効果を狙っていきたい。社員教育の推進については、社内でセミナーや研修を開いているのだが、それらの活動以外でも社員への呼びかけを積極的に行って、工場見学や店舗視察などに自発的に参加してほしい。時間は有限なので、その辺りの労務管理への工夫も必要になってくる。

また、当社はやはり関西エリアに特化した地域卸であり、存在感を発揮したい。大手メーカーだけではなく、中小やローカルメーカーの商品も発掘し、拡売に努める。攻める、守る、見直すという業務の線引きをしっかりとして当社の特色を出していかなければ、大手とは戦えない。首都圏エリアについても、現状で満足せず、より拡大させていく。

――人手不足について

少子高齢化などの影響で人手、特にドライバー不足が顕著だ。これに関しては、共同配送の仕組みが必要だろう。各社が持っている物流機能を共有して、互いに委託するシステムをどうにかして構築しなければならない。また、毎年新卒を一定数採用して人員確保も行っているのだが、それでも人手の問題は解決しないだろう。そこで、センターの集約を現在検討しており、それに合わせて新たな物流システムを導入する予定だ。

――そのほか注力する分野は

ドラッグストアは重要な取引先となりつつある。2ケタ以上伸長しており、これからも伸びるだろう。

――現在の市況環境をどう考えるか

節約志向は相変わらず根強いが、ハレの日やイベントの日は購買力が高まる。これを逃してはいけないので、自分達からイベントを企画していく必要があるだろう。

〈冷食日報 2018年2月27日付より〉

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