家庭用の好調、業務用中堅にも堅調さ本紙ではこのほど、冷凍食品を取り扱う食品卸を対象に2017年度の業績概況と次年度の見通しについてアンケート調査を行った。

集計結果を見ると、回答のあった企業のうち6割が冷凍食品の売上高(見込みを含む、以下同様)について前年実績を上回る結果となった。3年連続で増収傾向が続いている。前年に引き続き家庭用の比率が高い企業の好調さが目立つが、業務用中堅卸の堅調さも見逃せない。一方利益面は前年の回復基調から横ばいの比率が増えたが、回答からは物流コストや採用難という課題が深刻さを増している状況も裏付けられた。次期予想においては冷食の成長を見込む企業が多数を占めたが、事業環境の先行き不透明感から、控え目な予想に傾いている。

冷凍食品取り扱い卸売事業者の動向アンケートは今年1月下旬~2月上旬にかけて実施した。

17年度の売上高は有効回答55社のうち、増収が67%の37社。前年(58%)を大幅に上回る結果となった。横ばいは18%(前年23%)となり、増収と合わせて前年実績をクリアしたのは85%(同81%)となった。一方で前年割れは15%と前年(19%)を下回り、一昨年並みの好結果となった。

4%以上の増収が34%を占めたことから、節約志向が強まり量販店各社が価格政策を打ち出した厳しい市場環境にありながらも、力強い成長を見せたといえる。

冷凍食品の売上高に焦点を絞ると、増収となった企業は60%で前年(57%)より3ポイント増加した。前年並みを加えると85%で、前年を2ポイント上回る結果となった。前年割れは17%で、前年(18%)から引き続き改善傾向が見られた。

冷食の増収割合は全体の売上高よりも7ポイント低いが、伸び率の分布に特徴がある(グラフⅠ※右の増減のみとは集計母数が異なるため、数値は一致しない)。

冷食は「7%以上」の大幅増収が21%(前年も21%)で増収の中で最大の分布だが、全体の売上高で7%以上の増収は14%(前年17%)に過ぎない。全体の売上高は1~3%増が30%、4~6%が20%と正規分布を見せているが、冷食は大幅に伸ばしている企業が相当数あったということだ。

冷食伸長率が最も高かったのは三共水産(静岡)で3倍弱の増加。冷食の売上構成比は低いものの水産物の加工度が高まっている傾向を反映したものと見られる。次いでマルイチ産商(長野)が27%増となる見込み。県内有力卸との統合効果があらわれたかたちだ。中食チャネルが好調で、洋風スナックやシューマイの売上げを伸ばした。

家庭用チャネルを中心にセット商品など独自商品の企画販売を行う、ジョイ・ダイニングプロダクツ(埼玉)は12%増と2桁増が続く見通し。「お手軽調理のキット商品」に注力した。業務用卸の辻政(京都)も11%増と伸長した。「深刻な原料不足」に対応した商品調達に注力したという。

大手では日本アクセスが10%増を見込む。ドラッグストアやCVSチャネルを伸長分野に挙げている。旭食品と三井食品もともに6%増と好調だ。

家庭用を主力としている卸では松村フーズ(群馬)とコゲツ産業(福岡)もそれぞれ10%増、7%増と好調であり、前年に引き続き家庭用冷食の好調さを印象づける結果となった。

〈冷食日報 2018年2月19日付より〉

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