極洋は2018年度~20年度の3カ年中期経営計画の中で、冷凍食品セグメントでは直系工場製品を中心に販売を拡大する従来路線に加えて、畜肉と冷凍野菜の事業規模の大幅拡大を図る。畜肉分野は現状の売上高30億円から3年後に100億円を、冷凍野菜は5億円から50億円を、それぞれ目指す。また家庭用冷食では新たに米飯類と麺類カテゴリーに参入する。13日に都内で開催された、同社の荷受け・卸売取引先で構成する東京支社極洋会で明らかにした。

新中計「Change Kyokuyo2021」では20年度売上高3,000億円、営業利益60億円を計画している。その中で食品部門の収益を拡大して水産商事と均衡させることを大きなテーマに位置付けている。食品部門の20年度売上高目標は1,200億円としているが、今期は1,030億円を計画。内訳は冷凍食品セグメントで830億円、常温食品セグメントで200億円とした。

冷食事業では第1に「メーカー色を打ち出してく」(井上誠専務)として、直系工場製品を中心にブランド商品の販売を拡大する。極洋食品塩釜工場の生産高は16年度3,600tから17年度は6,500tに拡大、今期は8,000tを目指す。CVS向け焼魚や宅配ルート向け煮魚の販売増加を見込む。カニカマのキョクヨーフーズも16年度4,600tから17年度は5,400tに、今期は7,000tまで拡大する計画だ。8月中にカニカマのラインを増設する。「“魚に強い極洋"なので魚商材は骨太に伸ばしていく」とした上で、井上専務は「畜肉・凍菜は総合食品会社として発展するために特に注力したいカテゴリー」と話した。凍菜はベトナム産品の輸入を始める。ベトナム産は今春の新商品で先行して、調理品のかき揚げを発表していた。家庭用冷食で新たに取り組む米飯、麺類は、外注生産になる模様だ。麺はつけ麺の開発を行う。

井上専務は「3カ年計画の高い目標は今までの延長戦では達成できない。新しい事業に積極的に取り組んでいく」と意気込んだ。

17年度は冷食・常温とも売上・利益は前年度(売上高871億円)を上回ったようだ。冷食は塩釜工場製品やカニカマの生産数量が順調に拡大、家庭用冷食も配荷を拡大した。

〈東京支社800億円、2020年に向け拡販体制を増幅〉
同日の東京支社極洋会(会長:伊藤裕康中央魚類代表取締役会長CEO)には会員49社130人が出席した。同会は今回で23回目を迎える。松行健一取締役東京支社長が支社事業概況について説明。前期の支社売上高は水産加工事業部門で530億円、冷凍食品で270億円の合計800億円と過去最高売上高の更新が続いた模様だ。「昨年この会で前々期(16年度)720億円の実績に対して17年度は770億円を目指すとした」が、大きく上振れした。

収益面では水産加工事業は営業減益。「14年度と様相が似て、前半は相場上昇やインバウンド効果で売上・収益とも順調だったが、10月に台風が続いた辺りから流通末端の不調が報じられ、年明けには大雪による交通寸断もあった。サケ、エビ、北洋凍魚を中心に価格高止まりによる荷動き鈍化から相場下落が顕著に。当支社は新規開拓や共同開発商品によって売上拡大基調は続いたが、利益率が落ち、魚種によっては差損もあった」と説明した。

冷食部門は塩釜工場を基軸として、取引先との共同開発や新規開拓が進んだ結果、増収増益だったが、予算は未達となる。

今期売上高は最低813億円とした。水産加工では顧客との情報共有と生活者ニーズに沿った「縦に流通できる製品の販売を進める」。冷食では直系工場を要として「本物のメーカーに進化」を図る。本社の生産・開発部門を巻き込み、提案力を強めると話した。「特に新規開発を進めつつ、伸びる業態を見極め、業態にマッチする製品の開発・販売を行う。2020年東京五輪を控え、消費拡大は間違いない。販売拡大策を増幅できるよう、知恵と体力を蓄えていく」。

なお東京支社極洋会では新潟冷蔵の中田邦彦会長に代わって同社の坪川篤社長が副会長に就いた。会長以下、副会長の三菱食品小野瀬卓取締役常務執行役員らは再任となった。

〈冷食日報 2018年4月17日付より〉

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